NCIS: ニューオーリンズ (S2E13)

Undocumented / 祖国を離れ

マテオ・オルテガ2等兵曹の落下した遺体が発見される。自殺と思われたが首を絞められた痕が見つかり殺人と判明。マテオはホンジュラスから来て移民入隊プログラムで海軍に入っており、9日前に1万ドルあった預金をカラにしていた。彼が殺害される前日に訪れていたホンジュラスのコミュニティ・センターへ行くと……。(スーパー!ドラマTVサイトより引用)     

 

冒頭の事件現場はミシシッピの川向こうにあるAlgiers地区。高架からの飛び降りということなので、国道(US Route 90)沿いのあたりでしょうか。ロレッタの現場検証では自殺か他殺か不明な状況でした。

亡くなったのはマテオ・オルテガ兵曹。ホンジュラスからの移民で非常に仕事熱心な優等生。アメリカ軍には難民認定された一握りのトップの兵士とその家族に市民権を与える制度(MAVNI)があるらしく、マテオもその候補だった。でも上官の話では最近様子がおかしく、昨日はついに出勤してこなかったとか。同じく海軍で働く兄のヴィクターに様子を聞くラサール。こちらはちょっと問題児?なようで、ラサールは自分とケイドの関係を重ねていました。

 

検視でマテオは絞殺されたと判明したので亡くなる直前のスケジュールを調べたところ、Nunez CenterというMid-Cityにあるホンジュラス人のコミュニティセンターに行ってたようです。施設は架空なようですが、場所はだいたいこの辺ですかね。City Parkの近くです。

f:id:crescentagency:20181213113108j:plain

 

職員の話ではマテオはここでボランティアをしていたらしい。そして最近、近所には「1821」という落書きが至る所にされているとのこと。調べたところ1821とはエドガー・バリオスという男がリーダーの新興ギャングで、麻薬取引から密入国斡旋まで手広くやってるらしい(coyoteという語が何度か出てきたので調べたところ、メキシコからアメリカへ不法外国人を渡す業者を意味するスラングなんですね。知らなかった!)。しかし前も書いたけど数字のギャング名が多いのはなぜなんだろう。

で、このバリオスが脅しの手段として手の甲をハンマーで殴るのだけど、マテオにもその跡があった。コミュニティセンターでバリオスとの揉め事に巻き込まれたのか。ちなみに1821とはホンジュラス革命の年だそうですが、キングは「俺たちが奴らに革命を起こす」とかまたホレイショみたいなこと言ってました。

 

バリオスの家に行くと、地下にはたくさんのホンジュラスからの不法移民が閉じ込められていた。キングとは付き合いの長いICEのランディ・ウィルソン捜査官も協力して聞き取りを行ったところ、グランド・アイル(Grand Isle)という所から入国して古いバンに乗せられてここまで来たという。Grand Isleとはルイジアナ州南端、メキシコ湾に面したの小さな町でニューオリンズまで車で2時間強くらいです。

そしてそのバンですが、マテオと母親が住む家のガレージにありました。鍵はマテオと母親しか持っていない。マテオがバリオスと手を組んで移民を斡旋したのか。バンの登録者が母親だったため、ICEのランディは「規則なのでやむを得ない」と彼女の身柄を拘束してしまいます。

 

更にバリオスまでもが殺されてしまいます。手口はマテオと同じ絞殺。現場検証でロレッタがRoosevelt HotelでSazerac飲みたいわ〜と言ってましたが、Roosevelt HotelはCBD(セントラル・ビジネス地区)にある老舗の素敵なホテルで、S1E4でも少し出てきました。Sazeracはニューオリンズ発祥のカクテルで、S1E12のエンディングでボーリンさんが飲みたいと言ってました。

第一容疑者が殺されて振り出しに戻ったかと思われましたが、マテオのPCから沿岸警備隊のGrand Isleの警備ルートが見つかり、例の不法移民の入国日と一致した。そしてもう1枚、今夜の警備ルートも。バリオスの仲間が見つかるのではとNOLAチームが向かったところ、そこにいたのはヴィクターでした。

政府を信用できないと頑ななヴィクターでしたが、ラサールの熱い説得で口を開きます。彼とマテオには国に残した妹クラウディアがいて、市民権が取れたら呼び寄せる予定だった。しかしバリオスは彼女を人質にGrand Isleの警備ルートを要求し、ホンジュラスからの不法移民を入国させていた。マテオは偽のルートを渡して入国時に逮捕する作戦だったのだが、約束していた応援が現れなかったのだそう。

 

そしてその応援を約束しながら現れなかったのが、ICEのライアンでした。キングたちがライアンを捕まえた場所、扉に"Murphy J Foster Federal Building"とありましたが実在はしないようです。Murphy J Fosterとは1892-1900年にルイジアナ州知事を務め、アフリカ系アメリカ人の選挙権等を剥奪する州法を成立させた政治家らしいので、悪徳役人ライアンと重ね合わせたジョークなんでしょうかね。ちなみに場所は特定できませんでしたが、おそらくオフィスビルなど立ち並ぶPoydras Stじゃないかと思います。

ライアンは何らかの事情で借金を抱え、バリオスから賄賂を貰って不法移民の斡旋をしていたようです。 見逃してくれたらミリシアにつてがあるからお前を助けてやるとキングに往生際悪く頼んでおり、火に油を注いでいました(キングの賞金が増額されていたらしい)。マテオの母は拘束を解かれ、クラウディアも無事入国することができました。今回はラサールが自分たち兄弟と通じるものを感じたこともあり、熱かったですね。

 

サイドストーリーで、男子3名がキングのプロフィールを地元の出会い系サイトNolaMingleに登録しようと画策したら既にローレルが勝手に登録しており、キングは要らんことせんでええと言わんばかりでしたが、最後にこっそりチェックしてるのが可愛かったです。S2E6で出会ったパーソンズ捜査官を逃したとか言ってたけど、距離考えたらあの場で上手く行っても続けるのは難しかったんじゃないかなー。ラサールはS2E4 でもキングに女性を紹介しようとして「市内の全ての女性は俺に繋がってる(から無理)」と言われたのに地元の出会い系サイト登録って、懲りてません。そしてロレッタもお膳立てに失敗した過去ありとか。職場でこんなんされたら面倒すぎてキレそうだけど、アメリカではよくあることなんでしょうか(いや、私が縁がないだけで日本でもそんなもんなのか)。

あと、パーシーがお休みでした。しばらく戻らないと言ってたのは、S2E8でキングに志願した潜入捜査かな。