NCIS: ニューオーリンズ (S2E6)

Insane in the Membrane / 陰謀

レッド・ドレス・ランの日、ケルシー・ウィーヴァー2等兵曹が合成麻薬フラッカで幻覚を見た末、塔から落下して死亡。フラッカにより1週間ですでに3人の犠牲者が出ており、ケルシーは4人目だった。ブロディとソーニャは彼女と共に街に遊びに出たソフィア・ヴェレス兵曹からフラッカを買った相手の情報を聞くことに。(スーパー!ドラマTVサイトより引用)   

 

夏のニューオリンズは蒸し暑さで観光客の足も遠のきがちなのか、イベントも少なめです。ミュージシャンも多くが世界各地の夏フェスに出稼ぎに行ってしまいますし(まあ5月の屋外フェスでも相当暑いんだから8月はよそで働きたいよね…)。そんな閑散期の8月に開催される数少ないイベントが本エピソード冒頭のRed Dress Run。こちらによれば、要は日ごろ飲んだくれて運動不足ぎみな人たちがたまには体を動かそう!という趣旨で8月第2土曜日に行われるチャリティランなんだとか。運動不足の人が真夏の昼にいきなり走って大丈夫なんだろうか…しかもドリンク片手にって、アルコールだよね。タフだなぁ。そしてなぜ赤いドレスなんだろう。

ランの開始地点は、通常はMarigny地区のCrescent Parkなようですが、本エピソードではルイアームストロング公演(Louis Armstrong Park)でした。前話(S2E5)でパーソンズの勇み足で殺し屋を逃がしちゃって、代わりにRoss Pを捕まえた場所ですね。

NOLAチームの皆さん、そしてハミルトンまで赤いドレスを着て登場です。女性陣が素敵なのは言うまでもないですが、キングは身体のラインを惜しげもなく見せるようなピタピタのドレスに生脚、ラサールも背中の大胆に開いたドレスと男性陣も負けてません。一方でセバスチャンはクラシックなドレス。これはこれで彼らしくて可愛かったですよね(私も自分が着るなら断然こっちだな)。そうそう、気になっていたラサールの胸毛ですが、バッチリありました!やっぱりS1では剃ってたのかな…って、なぜそんなに胸毛にこだわる。

ハミルトンはドレス姿で司会をしながら市長選挙のアピールもばっちり、NOLAチームも一同苦笑いです。この後それなりにシリアスな展開になって行くんですが、ボスや議員もドレス姿でイベント楽しんじゃうノリは、NCISの中でもニューオリンズならではな気がします(ギブスやヘティがドレス着て参加するとは思えない…)。

 

そして参加者一同が走り始めてしばらくしたところで事件発生。銃を持った男に追われていると助けを求めていた女性(ウィーヴァー兵曹)が、フレンチクオーターのど真ん中の建物に逃げ込み、屋上から飛び降りて亡くなってしまいます。

飛び降りた現場はこちら。

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Chartres StとSt. Louis Stの角あたり。右側の建物はS1E14で銃撃事件のあった最高裁判所です。事件があったのはこの写真とは反対側のRoyal St沿いですが。

そしてウィーヴァー兵曹が飛び降りた建物は、Napoleon Houseでした。Napoleon Houseとはフレンチクオーターの老舗レストランで、もともとはナポレオンの逃亡先として用意されていた当時のニューオリンズ市長邸宅です。結局ナポレオンはその前に亡くなってしまい、ここに住むことはなかったのですが。日本語の解説コラムも発見。このお店は私も行ったことありますが、老舗といっても敷居が高い感じではなく、一人でも気軽に入れました。雰囲気もいいのでお勧めです。

 

と、冒頭はご当地ネタそれなりにあったんですが、ここから先は特になかったので一応あらすじだけ備忘的に書いておくと、結局ウィーヴァー兵曹を追っていたという「銃を持つ男」は存在せず、フラッカという最近ニューオリンズに出回り始めた合成麻薬による幻覚でした。中国系の組織で製造されたフラッカは「113」という地元ギャング(たぶん実在しないと思います。関係ないけど数字名のギャング多くないですかね)に卸されていたようですが、ドラッグが売られていたパーティ会場の使用許可を出していたのがハミルトンの助手だったり、彼の管轄下でドラッグが出回っていたりと、市長選に不利な材料が出揃ってきます。

捜査によってフラッカの元締めのDNAは採取できたものの、その人物は各連邦機関が「ゴースト」と呼ぶ謎の存在であることが判明。逮捕できた113のリーダーを利用して、パーシーが得意の潜入捜査でゴーストとの取引を持ち掛け、ちょっと危ない目に遭ったりはしましたが無事ゴーストを逮捕できました。裏で糸を引いていたのはハミルトンの対立候補のシング。ゴーストらをお金で釣ってハミルトンの管轄下にフラッカを出回らせ、選挙戦を有利に運ぼうとしていたのでした。ハミルトンにしてみれば敵が自滅して市長の座をちゃっかり手にできて結果オーライでしょうか。彼も決して清廉潔白じゃなさそうなだけに、運のいい奴め…という感じです。しかし限りなくグレーで、捜査官のキングとは犬猿の仲なのに、街を守るためにいざと言う時はタッグを組んで協力し合い、貸しだの借りだの言い合ってるこのポジション、おいしすぎです。

ちなみに犯人のシング、インド系のルイジアナ州知事(Bobby Jindal)をちょっと意識してるのかなーなんて思いました。ニューオリンズはリベラル系が強そうなので、ゴリゴリ保守派の彼は憎まれ役でしょうし。

 

サイドストーリーとしては、麻薬使用者に対するパーシーの厳しい態度の背後には、幼馴染が麻薬で命を落としたり疎遠になってしまったりという悲しい過去があったとか、ブロディに送られ続けている謎の写真をセバスチャンが解析したところ未解決事件の検証サイトにたどり着き、ブロディ妹の死は実は(事故ではなくて)殺人だったという書き込みがあったとか、いろいろ小出しにされているので今後進展がありそうです。特にパーシーは、過去と向き合うことを決め、疎遠になった幼馴染と(間接的にではあれ)連絡を取っていました。ブロディは妹が亡くなってから眠れない…とロレッタに話していたけど、2人の話しぶりからしてロレッタが大家さんてことはもう知ってそうな感じでしたね。