NCIS: ニューオーリンズ (S2E15)

No Man's Land / 疑惑の英雄

列車で女性を射殺した男をジャコビー少佐と一緒に座っていた男が止めようとし、ジャコビーは撃たれ、もう1人の男は犯人をナイフで殺害、ジャコビーを救って姿を消した。ジャコビーの衣服についた指紋から男はノーラン・グリフィス衛生兵と分かるが、記録によればパキスタンで捕虜となった後、行方不明になっており……。(スーパー!ドラマTVサイトより引用) 

 

犯罪捜査系ドラマでは「巨大な陰謀や軍事作戦がらみの殺人かと思いきや、ふたを開けたら痴情のもつれだった…」みたいなオチがありがちですが、今回は逆でしたね。面白かったです。そして、「NCISに出てくるCIA職員は大抵胡散臭い説」が今回も裏付けられました。

 

精神が不安定な人が電車内で突如発砲して殺人って、日本でも(刺殺だけど)新幹線で似たような事件がありました。キングが「最近多い」と言ってたけど、世界的な傾向?なんでしょうか…。

事件が発生した電車はLouisiana Cypressと言ってましたが、実在はしないようです。というか、1920~70年代頃にそういう名前の蒸気機関車があったみたいですが。キングたちが駆け付けた駅は市内のAmtrakの駅(Union Passenger Treminal。S1E16でダニーとCJの父親を捕まえた場所)ではないのでロケ地は不明ですが、ジャコビー少佐はSt. Theresa病院に運ばれたとのこと、この病院はMetairieとKennerにあるので、その辺りを想定しているのでしょう。殺されてしまった女性が通うTulene大学のキャンパスも比較的近くです。Tuleneてことは今回お休みだったパーシーの後輩ですね。

 

銃撃犯をナイフ一刺しで確実に息の根を止め、ジャコビー少佐へも特殊な止血措置を施した上で姿を消した謎の男性。その手際から特殊な訓練を受けたと思われる。少佐の服に残った指紋から、ノーラン・グリフィスという衛生兵だと判りますが、彼はアフガン派遣中に捕らえられて行方不明になっています。ちなみに、この時モルグでセバスチャンの着ていたTシャツに「Music To Your Mouth」とありましたが、これはカリフォルニアで行われるフェスみたいです。セバスチャン行ってきたのかな。案外アウトドア。

 

ノーランを捕えたのはパキスタンのテロリスト、アマン・ベシアとその一味で、彼らは拷問の映像もリークしているが、その後の記録は機密扱いになっている。キングは国防総省に問い合わせて紹介された、CIAのキャロウェイ捜査官に会いに行く。場所はおそらくですが、Uptown地区にあるAudubon Zooでしょう。Audubon Parkの中にあり、また近くには前述のTulane大学などもあります。フレンチクオーターからは、St. Charles Streetcar(緑色のストリートカー)で行くことができます。この辺りのエリアも、ロケ地によく使われています。

キャロウェイは、拷問の映像が流れたことで世論の後押しもあって救出を試みたが、結局うまく行かずそれっきりで、ノーランがアメリカにいるはずない、ていうか知らないと。しかしそれならなんでCIA捜査官がニューオリンズにいるんだよって話なので、キングも言葉通り信じた訳ではなさそう。まあなんたってCIAだし。

 

一方ラサールたちが防犯カメラ映像から、ノーランがドイツ人の偽名でアメリカに入国し、現在はフレンチクオーターで部屋を借りていることを突き止めます。訪ねてみると無人でしたが携帯電話を発見、そうこうしているうちに訪ねてきたのはベシア。しかし取り逃がしてしまいます。アパートの正確な場所は不明ですが、ベシアを追いかけていたのはSt Louis Stのこの辺り。

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パレードをしていたのはTreme Brass Bandです。ニューオリンズスタイルのブラスバンドで、2017年にはTokyo Jazzで来日公演もしました。Treme Brass Bandといえばベースドラムの名物おじいさん、故Lionel Batisteがとても記憶に残っていますが、Wikipedia見たらKermit Ruffins、James Andrews、Corey Henry、Kirk Josephと錚々たるメンバーが参加している・していたようですね(ブラスバンドはあまり詳しくないのですが、メンバーは一部を除いて流動的なようです。)

 

ベシアはノーランの車に隠れて密入国していたようです。キャロウェイが捜査の邪魔するなと怒鳴り込んできますが、いやいや黙ってたのそっちやないか、そもそもCIAは国内で捜査権ないやろと返すキング。そうだそうだ。

 

そしてセバスチャンはノーランの部屋にたくさんあった埃から、彼がLafayette Cemetery #1に頻繁に行っていたことを突き止めました。ここはS1E6(ハロウィンエピ)の遺体発見現場でもあります。当時実際に工事中だったから不明ですが、1833年から稼働している墓地なので、100年以上前の墓石というセバスチャンの分析は正しいです。芸が細かいですね。

更にパットンが携帯メールを解析し、「翌日朝9時」というメッセージが届いていたのを見つけたためキングたちが張り込み、ノーランを捕まえました。

 

ノーランは怪我を負いながらもベシアから逃げ、ナシマという女性に介抱されて恋に落ち結婚した。そしてナシマはベシアの遠縁だった。回復してNATOの基地に連絡したところ、ベシアがアメリカ国内で攻撃を計画しているからスパイになるよう言われたのだと。そしてノーランのハンドラーはあのキャロウェイとのことですが、ちょうどその頃キャロウェイかま墓地前で遺体で発見されます。この辺かな。工事はしてませんが。

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手口が杜撰なので犯人はノーランではなく多分ベシアだろうが、とはいえキングたちもノーランの話をどこまで信じていいものかという感じ。しかしキングは彼をに発信機をつけて泳がせます。ノーランが向かったのはMatisse Hotel。ここは実在しませんが、ロケに使われたのはHotel Monteleoneのロビーでした。今年5月に行ってきた時の写真。

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S2E2(陰謀ブロガー殺人事件)の事件現場がこのホテルの部屋でした。

 

結局ノーランは裏切ってはおらず、ベシア逮捕に協力します(というか手榴弾で自爆しようとしたところをノーランに刺されて死亡するのですが)。そして妻ナシマが産まれたばかりの赤ちゃんを連れて渡米、ミシシッピに住む姉とも再会できてめでたしめでたしでした。ノーランが行方不明中に授賞していたBronze Star勲章のセレモニーも開催されるとのとです。

ノーラン、視聴者的には最初から子供にも優しいし人助けするし到底悪い人に見えなかったんですが(むしろCIAフィルターのせいかキャロウェイの方がよっぽど悪そうに見えた。実際ノーランに対して妻を盾にスパイ行為を迫ってたみたいだし全然いい人ではなかった。ていうか動物園で勝手に餌あげていいの??)、状況的にはスパイを疑うラサールの判断も妥当だと思います。あと、キャロウェイが動物園でやたらポップコーンをぼりぼり食べてて何かの伏線かと思ったんですが何もありませんでした。それよりもなによりも、テロリストがアメリカ3都市を攻撃するのにあえてニューオリンズを選ぶ?という気もしなくはないけど、それを言い出すとこの番組の存在意義が危うくなってしまうのでまあいいか。