NCIS: ニューオーリンズ (S5E23・S5E24)

国境を越えて / The River Styx, Part I & Part II

(前編) アイズラー率いる特別部隊がついにエイヴリー・ウォーカーの居場所を突き止めた。場所は南オセチアで、ジョージア共和国との国境付近にあるウォーカーのアジトへ奇襲をかけるが、逆にアイズラーの部隊が襲われてしてしまう。どこからか作戦が漏れ、ウォーカーは奇襲をすでに知っていたようだ。

(後編) ウォーカーに拉致されたプライドは拷問され、様々な薬を注入されて意識が朦朧とする。そんなプライドに、ウォーカーはアポリオンのメンバーの情報を渡せと迫る。サッターの幻覚や大切な人々の幻覚を見ながらも、かたくなに情報を渡すのを拒否するプライドだったが、徐々に現実との区別がつかなくなっていき……。

スーパー!ドラマTVサイトより引用)

 

最終回2時間スペシャル。ご当地ネタはほぼゼロであまり書くことがないので2話分まとめてしまいました。今シーズンはこの話に限らず全体的にご当地ネタが少なかったなぁ。100話を迎えて人気ドラマとして定着し、「ニューオリンズの紹介」という役割は終えつつあるのならそれはある意味喜ばしいことなんだろうけど、ちょっと寂しくもあります。

 

内容としては、今シーズン通してのテーマだったアポリオンの制圧。ライアンの情報提供者ルカ(これがまたなかなか胡散臭げな人だった。嫌いじゃないけど)の情報でアイズラーたちのタスクフォースは南オセチア("South... whatever it's called" byグレゴリオさん)にあるウォーカーのアジトへ。ちなみにジョージア(旧グルジア)の北側に隣接する架空の国です。現実にはジョージアの北側はロシア。NCISはシリーズの設定上、アメリカと微妙な関係の国々のスパイ組織やテロ組織などがちょくちょく登場するけど、わりとKGBハマスアルカイダにISと実名ガンガン出してきますよね。日本だと「配慮」があるのかサルウィンやエルドビアなど架空の国がよく出てくるけど(って相棒だけ?)。そんな中で南オセチアという架空の国が出てくるのは珍しいパターンだったのでは。

それはともかくアジトにウォーカーの姿はなく、逆に攻撃に遭って通信も途絶えてしまいました。毎回ウォーカーには逃げられ先回りしされることから、米国当局に内通者の存在が疑われます。NSAが、がアイズラーらしき人が地元の民兵ミリシア)に誘拐されている情報を傍受したことで、キングとラサールはS5E19プレスコット輸送から押収した偽札を身代金として準備し南オセチアへ。ラサールがNCIS入所当時にトビリシジョージアの首都)に派遣されていたんですね(そんな話は初めて聞いたぞ)。人道支援NGOを装って入国、いろいろありながらもルカの手引きで民兵から無事アイズラーを取り戻しますが、その行動もアポリオンに筒抜けだったようで引き渡しの場で襲撃に遭い、これをキングたちの罠と勘違いした民兵からも追われることになってしまいます。国境を越えてジョージア領まで行けば助けを求められるということで3人で逃げることになり、ラサールの謎のロシア語とお子様スキルで無事に難を逃れ(少女をお金で買収か…と思ったけど、どうも彼女のお目当てはキングのサングラスだったみたいですね)、国境まであと少しなところで民兵が追いついてきて襲撃されます。ラサールとアイズラーは負傷しながらもどうにかジョージアにたどり着き、国境では人質引き渡しの現場ではぐれたと思っていたルカが助けを手配してくれていました。キングは「俺はここに残る!国境にたどり着いたら応援を呼んでくれ!」と無茶なことを言って南オセチアに残りますが、ウォーカーにつかまってしまいました(この辺までが前編)。

 

一方ニューオリンズでは国土安全保障省のパーカー一行がオフィスにやってきて、まーたあんたらのボスは勝手して! 今後は私たちが主導で動くから情報全部渡しなさい!と。そしてジョージアで助けられたラサールも帰国。ちなみにアイズラーはS5E17で「死亡フラグが…」とか言ってたんですが「瀕死の重傷を負った末に死亡を装っての帰国」という半分当たり・半分外れな展開でした。飛行機から棺が出てきた時はドキッとしたけど、グレゴリオがあまりに冷静だったので怪しいなぁとは思ったんですよね。しかしパーカーたちにも死んだと思わせ、政府内のスパイからウォーカーへ偽情報を流させようと検視台にも寝かせるというなかなか大胆な作戦。FBIに遺体(じゃないけど)持って行かれなくてよかった。ロレッタも名演技でした。

ウォーカーはアポリオンに関する何らかの情報を手に入れるためにアイズラー誘拐を企てキングを誘き寄せたたはず、だからキングは生きてるだろうということで、アイズラーをこっそりジミーに匿わせ、2人でキングの部屋でアポリオン情報の手がかりを探します。結果、プライド家のお墓(はっきり判らないけどLafayette Cemetery No.1かな?)に隠されたノートパソコンを見つけました。「僕はプライド家の人間じゃないから(ここには眠らない)」と言ってたジミーが自分の名前を見つけてちょっと嬉しそうにしたのが良かったな。しかしハンナさんの車のGPSでこっそり跡をつけてきたパーカーにパソコンを取り上げられてしまいます。パーカーはかつて自分のチームも裏切りによりウォーカーに皆殺しにされたらしく、相当な執念です。

…と思っていたら、なんと内通者は彼女自身だった。なんかこの人、前も嫌われ役で出てきたよなぁと思っていたらこんな展開が待っていたとは。パーカーが取り上げたパソコンを政府の情報セキュリティ施設?に運び、ウォーカーに情報を送信しようとしたところをセバスチャンがサーバーを「物理破壊」して阻止。ギブスか! しかもタイミング良くリタが登場して(死んだはずのアイズラーから電話があって駆けつけたらしい)パーカーさんお縄。ちょっと出来すぎ感ある展開だったけどセバスチャンは可愛いしリタもカッコいいし許しちゃう。

そして瀕死のサーバーからようやくウォーカーの居場所が掴めます。なんと、飛行機でアメリカに向かっておりテキサスに着陸したと。

というわけでようやくキングの話ですが、ウォーカーは、アメリアのタトゥーに埋め込まれていたアポリオンのファイルの中身をキングから聞き出そうと幻覚剤を使ってひたすら拷問します。もう正直キングの幻覚とサッターはお腹いっぱいなんだけど、やたら「家族」をネタにするなぁと思っていたらウォーカーが知りたかったのは息子の居場所だったと。息子の母親は出産時に亡くなっており、安全のためにすぐ養子に出してウォーカー自身すら居場所を知らなかったのに、アメリアに嗅ぎ付けられ切り札にされてしまった。彼の居場所を突き止めて一緒に逃げるために情報が欲しかったみたいです。うーん、エルヴィスの「父親」はウザ微笑ましかったけど、これはどうなん?? ファイルにアクセスした人をことごとく殺したのも息子を守るためだろうけど、その後息子と逃げてどうやって育てて行くつもりだったんだ…。

まあとにかく、最後はキングに銃を向たことでスナイパーグレゴリオに仕留められてしまうんだけど、キングの「息子の安全は保証する」との言葉を聞き届けて息を引き取りました。途中から(というか最初から)よく解らなかったんだけど、結局ウォーカーってアポリオンの首謀者だったの? 彼が亡くなり、残党もここから芋づる式に捕まるんでしょうか。

最後はバーでいつものように打ち上げ。シーズン序盤では距離を置きがちだったハンナさんも楽しそうに馴染んでたし、「生き返った」アイズラーが違和感なさ過ぎてもはやレギュラー化してる…。まだフラフラしてるキングにダンスをけしかけるリタの動きにキレがあるなぁと思っていたら、中の人(Chelsea Fieldさん)はプロダンサーとしてのキャリアもあるんですね。S4はキングが撃たれてクリフハンガーでしたが、今回は平和に終わってくれて良かったです。ニューオリンズはこうであって欲しい。あと最後の音楽は地元ミュージシャン使って欲しかったけど、Princeでしたね。プリンス様じゃ文句言えないな。

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シーズン全体の感想としては、ご当地ネタはかなり少ないしキングの幻覚は意味不明だし(結局サッターなんやったんや…)、死にかけたのに全然懲りなくてローレル可哀想だし、全体的に正直あまり満足度が高いとは言えませんでした。ただ一方で、新キャラクターのハンナさんとジミーは大ヒット。暴走しがちなキングと安定感抜群のハンナさんの2車輪でチームを引っ張って行くのも新鮮でいいですね。そしてジミー、最初はキングに弟がいたなんてこじつけな感じがしたけどカシアスならありそうな話だし、回を重ねるごとにいい味出してきて、幸い今後はキングのお店を共同経営するとのことなのでずっと出続けて欲しいです。

でもって新キャラじゃないけどやはり大きかったのはグレゴリオとセバスチャンの同居! ツンデレグレゴリオ姉さん、実は一人暮らしは寂しいんでしょうか。パーシーと同居してたDecatur Stの豪華アパートが見れなくなるのはちょっと残念だけど、今後はTabastianの惜しみない供給を楽しみにしています。