New Orleans : City of Stories @ ナショナルジオグラフィック

我が家のHDDは「ニューオリンズ」「ニューオーリンズ」をキーワードに自動で番組を拾ってくれるんですが(というか私がそのように設定してるんですが)、たまたまスカパーの無料放送日にナショジオチャンネルのドキュメンタリーが重なってくれました。

このキーワードで拾われる番組は大半が旅番組ですが、それ以外は音楽やスポーツ(セインツ、ペリカンズの試合がたまに放送される)、ニューオリンズが登場するドラマや映画などです。日本の旅番組は(一部のNHKドキュメンタリーなどを除けば)取り上げる場所などほぼ決まっててどれもあまり差がないんですが、これはアメリカ製作の番組だからか、ナショジオさんが頑張ってくださったのか、ちょっと一風変わった感じで面白かったです。ちなみにアメリカのナショジオのサイトはこちら。

news.nationalgeographic.com

調べたらOffbeatの記事でも番組が紹介されてました。市政300周年記念の番組でもあったらしく、アメリカでは今年の4月に放送されていたようです。

 

どうせなら英語で観たいなと思って副音声で観てましたが、わりと解りやすい英語だったので、ほぼ理解できたんじゃないかと思います(個人的な感覚では、英語の聞き取りの難易度は「映画>ドラマ>ニュース>ドキュメンタリー」な気がする)。

1時間の番組にいろんなトピックを詰め込んでいたので駆け足感は否めませんが、それでも短時間のわりにそれぞれの内容が結構濃くて面白く、ニューオリンズもまだまだ知らないことがたくさんあるなぁと感じました。

 

まずは音楽の話題。ここはさすがにあまり目新しい話題はなかったですが、Derrick Tabb(Rebirth BBのスネアドラム担当)のインタビューなどを通じてRoots of Musicの紹介がありました。トレメの音楽文化に触れてくれる番組、なかなか珍しいんじゃないでしょうか。ファンドレイジングのイベントにはGalacticもチラッと映ってました。珍しいと言えば、「この街で音楽をやる人は、必ずしも演奏者ばかりではない」ということでDJ Soul Sisterのインタビューも。彼女のステージはまだ見たことないんですが(というかDJってそもそも何してる人なのか自体あまり解ってないんですが…CDJは自分でも何度かさせていただいたことあるんですけどね)、お名前はしょっちゅう耳にしているのでとても興味深かったです。

 

そして壁画アーティストのBrandon "BMike" Odumsの紹介。Travis Hillの壁画描いた方なんですね。というか他にもちらっと映った彼の作品、滞在中いくつか目にした覚えがあります。彼のStudio BEはMarigny地区にあるようなので、次の訪問時にはぜひ行ってみたいなと思いました(こうやって行きたいところが増えていく…)。

 

そして、Katrinaで流された家の廃材で家具を作る職人Alexさんの紹介。主にBargeboard(バージボード)という木材を使って家具を作ってらしたのですが、このボード、アメリカ北部で採れた木材でできており、蒸気船ができる前はこの板で船を造ってニューオリンズに物を運んでいたそうです。荷下ろしを終えた船は戻ることなくニューオリンズで解体され、建材として転用されたとのこと。で、Katrinaで被災して壊れたこれら家の廃材を家具として再生し、地元の家やバーなどに売っているそうで、Bargeboardが3度目の役割を与えられているとのことです。(以上、私のヒアリングが間違っていなければ)

Bargeboard Houseとして紹介された家、確かにこういう家ニューオリンズにたくさんあるなぁ、と。見ててワクワクしてました。

 

続けて、ニューオリンズの楽しみといえばお酒!ということで、地元の女性バーテンダーAbigailさんの紹介。彼女は北部(多分ニューヨーク)から移住されてきたそうで、頭に花を飾り腕にユリの紋章のタトゥーを施した朗らかでチャーミングな女性。ニューオリンズにいると「自分が自分でいられる」ということで気に入って移住してしまったようです。確かに、ニューオリンズって不思議な解放感があるんですよね。といっても私は休暇中に非日常を過ごしているからかな?と思ってたんですが、どうなんでしょう。

 

でもってお酒といえば食です。ここではPo-Boyが紹介されました。一般的にPo-BoyといえばBennie & Clovis Martinというレストラン経営者の兄弟が、路面電車ストライキ中に、スト中の労働者たちに配ったサンドイッチが由来とされています(Martin兄弟が労働者を「貧しい人たちPoor boys」と呼んだのが「Po-Boy」になった)。ところが、Po-Boy好きすぎマニアのPicayuneの記者さんが調べたところによると、そのエピソードよりも前にルイ・アームストロングがPo-Boyを食べたという記録もあるらしいですね。この記者さん、当時のMartin Brothersを知るお爺さんと今も定期的に会ってはPo-Boyを一緒に食べてるとか最高過ぎませんか。こういう人もこういう話も大好きです。

 

そしてニューオリンズ言えばやっぱりMardi Gras。といってもここもさすがナショジオさん、Mardi Gras Indiansの紹介です。さすがに目新しい話は特になかったですが、スーツの製作現場なども少し映ったりして面白かったです。

 

最後はBaby Doll のダンサーMillisiaさん。忘れられかけていたBaby Dollの歴史を、現代風にアレンジしてよみがえらせたとのこと。メイクも服装も一瞬ちょっとびっくりしますが、もともと女性をエンパワーする目的だったと聞いてなんか色々納得。確かに、男性受けなんざ1ミリも気にしちゃいねぇ!感が見た目からもダンスからもひしひし伝わってきます。 さっき書いた「自分が自分でいられる」じゃないけど、日本でまじめに生活してるとどうしても「いい年して派手なメイクとか…ミニスカートとか…」とついつい思っちゃいがちですが、好きな格好して好きに生きたらいいんだよなぁと思わされます。まあ私はメイクもミニスカートもそもそも興味がないんであれですけど、それでも違うことで無意識に「世間」に遠慮してるところってあると思うので、そういうのから解き放たれる気がするのも、ニューオリンズの魅力なじゃないかなと思います。実際生活したらどう感じるのかはわかりませんが…どうなんだろう。

 

冒頭にも少し書きましたが、まだまだニューオリンズ知らないことたくさんあるし、行ってない場所もたくさんある。あらためてこの街の魅力や奥深さを感じられる番組でした。ああ、早くまたニューオリンズ行きたいなぁ。