NCIS: ニューオーリンズ (S2E3)

Touched By The Sun / 女の意地

ダニーとCJを連れて航空ショーを見に行ったウェイドの目の前で、エース・パイロットのリンジー・ギャレット大尉が最新型戦闘機スカイストーマーで墜落し死亡する。捜査の結果、墜落前に操縦が空母着艦システムACLSに切り替えられていたことがわかり、NCISは捜査に乗り出す。(スーパー!ドラマTVサイトより引用)  

 

ロレッタが「家族サービス」と子供たちを連れて行った海軍の航空ショーで起きた墜落事故。新作Skystormerのお披露目航空に選ばれたパイロットは若い女性ながら非常に優秀で注目されていたリンジー・ギャレット大尉でしたが、墜落は彼女の操作ミスだったのか、機体に問題があったのか。ワシントンから報告を急かされいろいろ難しい立場にある海軍長官も女性ということで(一応、本家からのゲスト出演ですね)、邦題にはいろんな意味が含まれていますね。有色人種の女性として初のルイジアナ州検死官になったロレッタや、男子会にどうしても誘われたいパーシー(笑)の「意地」もあったように思います。

しかし昔から気になってるんだけど、「海軍」なのになんでパイロットなんだろう?(まあ海上で空から偵察や攻撃が必要なことはあるだろうけど、それは空軍の仕事じゃないのかな)そしてアフガニスタンやシリアなどへの派遣も、陸軍じゃないのかな?とか。

 

それはともかく、航空ショーの会場は、のちにフランコ大尉がSkystormerを飛ばそうとして意識を失ったのと同じ場所っぽかったし、おそらくBelle Chasseの海軍施設内なのでしょう。リンジーの上司に話を聞いた場所にはこんな飛行機も泊まっていましたが、

f:id:crescentagency:20181014181233p:plain

この記事によると、Louisiana Air National Guardという機関が実際に所有している飛行機なようですね(番組では機体番号?は消されてますが)。マルディグラカラーに百合の紋章と、非常にニューオリンズ的です。ミリシアとあるけど、キングの命を狙っている彼らとは別物かと。

 

リンジーにはイスラム過激派らしき脅迫動画が送られていたり、(当初予想されたGロックという加速度の変化が理由の症状ではなく)神経毒が盛られた形跡があったりと、殺人の可能性が浮上。シリア派遣時の任務が原因か、女性エース・パイロットへの嫉妬が理由か。しかし動画は過激派ではなく、リンジーのドキュメンタリーを撮っていた監督が送っていました。自分に振り向いてくれないリンジーを怖がらせて心変わりを狙っただけでなく、彼女の腕のアザを見つけて守ってあげたいと思ったとか。ヒョロっとした優男風文化系男子が海軍のエース女子を守るってどうなんですかね。ステレオタイプのおかしさを強調したかったのかな。

ちなみにこの時にモルグでセバスチャンが着ていたTシャツ、

f:id:crescentagency:20181014185452p:plain

おなじみDirty Coastのこれです。「これが読めればあなたも地元民!」ということで、ニューオリンズのストリート名を並べて視力検査表を模しています。順にTchoupitoulas、Calliope、Burgundy、Terpsichore、Dorgenois、Carondelet、Melpomene、Leonidas、Milan、Burthe、Rocheblave、Dorgenois、Chartresで、最後はNew Orleans。Dorgenoisが2つなのはNorthとSouthで2本あるからかな。地名をよく知らなくてもニューオリンズ音楽好きならTchoupitoulasで速攻解ってしまいそうな気もしますが(Wild Tchoupitoulasという有名なマルディグラ・インディアンのバンドがあるので)、難読地名が多い街ならではの柄で面白いですね。

 

さて、リンジーのアザは同じチームのフランコ大尉がつけたものでした。リンジーの「控え」に甘んじるのが嫌で危害を加えたんじゃ?と疑われますがフランコは否定、最近様子がおかしいリンジーを問いただしたら口論になって、殴りかかってきたリンジーの腕を掴んだだけだと主張します。一方でリンジーは月に1回定期的に休暇を取り、Belle Roseにアパートを借りて不妊治療のクリニックへ通っていたことが判明。保存目的で採卵を行なおうとしていたが年齢の割に排卵しづらく、ゴナドトロピンというホルモン投与が必要だったそうです。リンジーに現れていた症状はホルモンの副作用だった可能性も出てきました。軍に届出もせずにそんな治療をして戦闘機に乗ったのなら大問題です。なお、Belle RoseはニューオリンズやBelle Chasseから車で1時間半程度の街です。男社会の軍隊で不妊治療など口に出しづらく、人目を気にして遠くの病院に通っていたのかもしれませんね。

 

しかし検査の結果リンジーはホルモンを投与していなかった。航空ショーがあるため、副作用を恐れて治療の延期を希望していたのです。そんな話をキングとロレッタがしながら歩いていた通りはこちら。

f:id:crescentagency:20181014191609p:plain

Warehouse Districtあたりです。ストリートビューの写真では工事中で、左手前の白とオレンジのブロックあたりにキングの車が停まってましたね。

f:id:crescentagency:20181014191813p:plain

ここからはモルグもオフィスも少し遠いのですが、直前にキングがSkystormerの製造会社を訪ねているので、その近くという設定でしょうか。

 

ロレッタですが、ダニーに期待のあまりプレッシャーをかけすぎてしまい、そこまで頑張れないし、そもそも(優秀な)ロレッタとは遺伝子違うし…と投げやりぎみなダニー。しかし「遺伝子」にピンときたロレッタ、リンジー排卵や体調の問題の原因が水銀であることを突き止めます(まさか「水俣」が出てくるとは!海外でもメジャーな事件なんでしょうか。それとも医療関係者だから知ってたのかな?)。そして、控えのパイロットであるフランコにも手の震えなど水銀による症状があったと気づくブロディ。その頃フランコは、墜落はリンジーの誤操作でないことを証明すべく彼女と同じプログラムでSkystormerを操縦しようとしてコックピットで意識を失います。キングたちがすんでのところで離陸を阻止して命は助かりますが、運ばれた病院はS1E11でオライオンが運ばれたGravier Multispecialty Clinicでした。

f:id:crescentagency:20181014192847p:plain

フランコは4ヶ月あまり水銀を吸引し続けて肺にダメージを受けており、彼もリンジーもSkystormerを操縦するたびに気化水銀に晒されていたのではということで、あらためて墜落現場が検証されます。結果、電気系統に用いられていた部品が規格を満たさない海外の粗悪品で、それが原因で気化水銀が発生していたことが判明。担当者の女性メラニー・プラットが、コストカットのために安全を軽視して海外に製造をアウトソースしていたのでした。当然殺すつもりはなかったんでしょうけど、こういう場合は刑事だとどういう罪に問われるんでしょうね。業務上過失致死?

そしてブラックボックスの解析で、リンジーは意識を失う直前、航空ショーの観客に墜落しないためにACLSという操作を行ったことがわかり、彼女の名誉も守られました。

 

リンジーのお葬式でブロディをデートに誘う不謹慎なフランコ。しかしブロディも元婚約者のジェームズとは連絡は取ってるけど付き合ってるわけではない(as-needed basis、なんかすごい表現だな…)とのことで、満更でもなさそうです。そういえばウィルキンス先生とは結局終わっちゃったんですかね。ブロディ、モテるなー。

 

そしてパーシー、Frenchmen StのDBAには20個もタップ(生ビールサーバー)があるよ!とか、Rock'n Bowl(Mid-Cityにある、ライブ音楽を楽しめるボウリング場)でKermit Ruffinsのライブやるから女子会しようよ!とか、地元のライブバー事情に詳しくてびっくりです。しかもペリカンズ(バスケ)やセインツ(アメフト)など地元スポーツチームにも相当詳しそうだし、かなりどっぷり地元っ子じゃないですか!