麗蘭 10月・2人のBirthdayライブ

音楽が好きな人は、多くが「人生変わっちゃうくらいの音楽やミュージシャンとの出会い」を経験されたことがあると思うんですが、私にとってその「出会い」のひとつとも言えるのが麗蘭です。長くなるので具体的な話は省きますが、そのくらい思い入れのある人たちで、今でももちろん大好きなんだけど、ここ数年は磔磔以外で観てきませんでした。単純に個人的に相当忙しかったというのもあるんですが、最大の理由はやはりドラマーの交代。古くからのファンの方は、そもそもパーカッションからドラムに代わったこと自体が不満だったりするようだけど、私が出会ったのはちょうど入れ替わりのタイミングだったのでそこまでの強い思い入れはなく、なにより公平さんに口説き落とされて加入したという北澤さんのドラムがあまりに素晴らしい(というか超絶私好み)だったので、当時は磔磔のみならず、麗蘭と名の付く東京公演は全制覇してました(後で知ったのですが、北澤さんは相当なニューオリンズフリーク。さもありなんです)。

ところが数年後、どういう事情かは知りませんがまさかのドラマー交代。で、この人がまあ…どうにもこうにもピンとこなくてライブに行くモチベーションがダダ下がりしてしまい、その後は「行ける年だけ磔磔に行く」みたいになって今に至ります(まあ、何だかんだほぼ毎年行ってますが)。いやね、ドラマー大事。

で、長らく「北澤さんカムバックはないとしても、また他の人に代わるかもしらんしなー」とも思ってたんですがその気配はなく、どうやら当面今の4人体制で行くらしい、だったらいい加減受け入れて楽しんだ方がいいんじゃないか、みたいな思いもだんだん出てきて、今回久しぶりに東京公演に足を運んでみた次第です(まあ、ぶっちゃけビルボードじゃなかったからというのも大きい)。

 

と前置きが長くなりましたが、そんな経緯で足を運んだ初EXシアター。テレビ朝日の運営する比較的新しい会場です。CHABOさん関連のライブ、年齢層を考慮してかめっきり椅子席会場増えましたよねー。今回もCHABOさん結構煽ってたけど、お客さんほぼ座りっぱなし。本編終盤のミュージックでようやく皆さん立ち上がりました。野音では最初から立ってる人多いんだけど、木曜日だし疲れてたのかな。

 

さて、肝心のライブですが、やっぱり麗蘭の音楽やサウンドが大好きだと再確認できるステージでした。2人のギターは素敵だし、早川さんのベースも大好き。ドラムもまあ…さすがに加入当時の謎のシンバル連打みたいなプレイもなく、最近の曲は結構馴染んできたかなぁと。何よりパーカッションもできる方なので、北澤さん時代と違った形で幅も広がっていくのかも、という期待もあります。ただ、やっぱりミュージックや今夜R&Bを…など昔の曲になると、どうしても違和感がぬぐえません。特にR&Bはなぁ。好みの問題なんだろうけど、色気がないというのか。。

 

そして今回もう一つ残念だったのがカバー曲の多さ。いやね、カバーがダメって訳じゃないんです。CHABOさんのカバーがきっかけで出会った曲もたくさんあって私の音楽の世界を広げてくれたのは間違いないし、時に原曲を超える神がかり的なのもあるし、日本語歌詞も「ノリ」としては今ひとつでも、その時のCHABOさんの心境を思うと心揺さぶられるものもあり(特に清志郎さん闘病期に歌ったものとか)、今後も続けて欲しい気持ちはあります。でも、CAHBOさんの言葉を借りれば「適当な日本語をつけて」とりあえずカバーしてみました的な感じで何曲も続けてやられちゃうと、いや文化祭じゃないんだからさ…ていうか私は麗蘭の曲が聴きたいんだよ!となってしまう。もっとさー、あるでしょうよ。サザンマンとか真冬の熱帯夜とかマンボのボーイフレンドとかクッキーと紅茶とかあとせっかくパーカッションいるんだから待ちわびるサンセットとかさぁ。あんなに名曲のストックあるのに、それを犠牲にしてまでカバーやっちゃうの?と。

磔磔は長らくの恒例行事だし、2~3日は公演あるし、粗削りなカバーを多少披露してくれてもいいんです。毎年演奏されることで曲が育っていく楽しみみたいなのもあるし。でもこの日は東京でのワンマンの単発ライブ。オリジナル中心で、もうちょっとピシッと決めて欲しかったです。もっともCHABOさんのファンにはカバーって概ねいつも好評なので、私の感想は少数派かもしれません(私もイヤだと言ってるんじゃなくて、このライブで何曲もやることないだろうと)。

 

まあね、メンバー構成も選曲も今の麗蘭の意志なんだから、それが嫌なら行くな、お前の希望なぞ押し付けんじゃねぇと言われればそれまでだし、何らかの検索でここにたどり着いて、楽しい感想を期待したのに気分悪くさせてしまったのなら大変申し訳ないです。一応、楽しくなかった訳じゃないです。冒頭にも少し書いたけど、やっぱり麗蘭好きだと再確認できたし、ミュージックやGet Back聴いた時は泣きそうだったし、まさかの早川さんのハッピーバースデー歌唱も聴けた。まだ発表されてないけど今年の磔磔も多分行くでしょう。でもね、なんかもどかしいんですよ。私は観てないんだけど今年のフジロックYouTube中継でCHABOさんが登場した時に一部の視聴者から「老害」と書きこまれたらしく、それ自体も残念だったけど、それ以上に老害発言に怒る一部のファンの方たちの発言にもっとガッカリして、でも自分も嫌な思いしたことあるから「ああ、そういう人たちいるよね…まだ言ってたのか」みたいな気持ちもあり、自分の中でいろんな思いを消化しきれていないところに今回のステージ。ドラムの好みはさておいても、60〜70年代のカバー曲が3分の1みたいなお爺さん(いくら若々しくても68歳、世間的には立派なお爺さん…)のライブ、それを観て喜ぶ50代、そりゃ若い子たちからすりゃ老害なのかもなぁ、と。かく言う私だって、オリジナル演れや!とか言うわりに1+1以降の曲はほとんどチェックしてない。しかも10年近くドラマーが…とかウダウダ言って、結局往年の麗蘭に執着してるだけなんじゃないのか?と。なんか、私自身も含めて「過去にしがみついてんじゃねーよ!」みたいな気持ちになってしまったのです。

まあね、いっそNeville Brothersのような伝統芸能の域に達して、セットリスト何年も変わってないけど存在してライブしてくれるだけでいい、みたいな立ち位置になるのもアリかなとは思いますけどね。正直、セカンドアルバムくらいまでの曲メインでセトリ固定ならそれもいいかとちょっと思ってしまうんですが…多分CHABOさんはそれを良しとはしないような気がする。そしてそここそがCHABOさんを好きな理由でもある。我ながらめんどくさい。

 

なんか色々書いちゃいましたがCHABOさんや麗蘭に失望したとかじゃないし、むしろやっぱり大好きだし、これからも以前程の頻度じゃないまでもライブには行き続けるんだと思います。次にCHABOさんのライブについて書く時には「やっぱり最高だー!」って内容になるといいなぁと思っています。実際、去年のお誕生日の野音とか最高だったし、近いうちにそんな日が来ると思うので、その時にここを覗いてくださった方は是非「こいつ結局どっちやねん」と内心つっこんでおいてください。。

 

おまけ。

今夜R&Bを…のニューオリンズパートで出てきた人たち。順不同です。

Dr. John、Allen Tousssaint、Neville Brothers、Snooks Eaglin、James Booker、George Porter Jr.、James Booker、John Mooney、Professor Longhair、Earl Palmer、Papa Grows Funk、June Yamagishi 私の記憶が正しければこれで全部。George Porter、John Mooneyあたりは結構珍しいですね。代わりにIrma Thomasが出てこなかった。