2019年ニューオリンズ・ルイジアナものあれこれ(中編)

  • Funk On Da Table / Live at Tipitina’s

一昨年~去年と来日ツアーも大盛況だったこのバンドの、本場Tipitina'sでのライブアルバム。June Yamagishi、Nikki Glaspie、John "Papa" Gros、そして日本からKenKenってもう絶対ヤバいやつです。この時は金子マリさんも一緒に渡米したようで、彼女のボーカルも1曲聴けます。最近はニューオリンズ勢の来日が減りがちですが、KenKenくんと山岸さんがいるため集客もしやすいからか、昨年秋にも来日の噂があった(というかジョングロさんがはっきり「次は10月」と言っていた)のですが、まさかのKenKenくん逮捕事件。非常に残念だったんですが、なんと! 3月に来日ツアーが決まりました! やったー。ちなみに今度のドラムはRaymond Weberです。ニッキちゃん来ないのはちょっと残念だけどレイモンドも大好きなのでこれも楽しみ。KenKenくん復帰第一弾くらいかな? ルール違反はダメだし「大麻くらい」というのは語弊があるけど、キャリアをパーにするような犯罪ではないと思うので、ここからまた頑張って欲しいです。

お気に入りの1曲はFunky Miracle。ミーターズの曲はやっぱりすごい…。

 

  • Chip Wilson / Stories and Occasional Lies

新譜が出たタイミングでWWOZに何度かゲストて出てプロモーションをしており、 とても気に入った1枚。恥ずかしながらお名前すら存じ上げなかったんですが、これがまた本当にいいアルバムなのです。見た感じ結構年齢もいってらしてラジオでお話聞いてる限りキャリアも長そうなんですが、オフィシャルサイトもSpotifyもこの新譜の情報以外は全然なくて情報不足。YouTubeにはそこそこ映像上がってるしLouisiana Music Factoryにも旧譜が何枚か置かれているようなので(ヴィダコヴィッチ王子と2人で作ってるアルバムとか!)、少し調べて次回行った時に買ってみようかなと思ってます。

お気に入りの1曲はQuarter To Four。

 

  • Dave Jordan / Burning Sage

WWOZでもよく流れてるし、ニューオリンズのライブバーでも名前やらフライヤーやらをよく見かけるしで名前は何となく知ってて気になってたんだけど、去年になって初めてちゃんと聴くようになった人。タイミングよく出た新譜がまた大変すばらしい。こちらもOffBeatのBest Roots Rock Albumにノミネートされてました。

2010年にAnders Osborneプロデュースでソロデビュー、あまり情報が出てこないんですがその前もNew Orleans Juice(かつてクリスミューレおじさんもいたバンド!)などに参加していたらしく、私がたまたま知らなかっただけで結構キャリアは長いみたいです。ちょっと声がボブディランに似てるなーという感じですが、そこはニューオリンズの人なのでちゃんと彼独自の個性も出してます。本作のみならず、まだあまり聴き込めていないので、今後色々あたってみて、そしてライブも是非観てみたい1人です。

お気に入りの1曲はTucumari Tonight。

 

別に「アナタハトテモキレイデスネ」って言ってくれたから選んだ訳じゃないよ! あんまり聴かないジャンルだけどマクダーモットさんのピアノはなぜか大好きで、WWOZで知らない曲が流れてもピアノの音だけでそこそこ判別できるくらいには好きです。まあそれだけ特徴的なんですが。そんな彼が今年出したアルバムは、タイトル通り全曲Scott Joplinカバー。The Entertainerで有名なラグタイムの人ですよね(そのくらいしか知らない)。もちろんこの曲も収録されてますが原曲とはだいぶ雰囲気が異なり、とてもマクダーモット節。トテモキレイデス! 最後の数曲だけクラリネット(もちろんEvan Christopher氏)やギター、パンデイロなど入ってますが、ほぼピアノソロです。この人のソロは本当に素敵ですねぇ。

お気に入りの1曲はPinapple Rag。パイナップルは好きじゃないけど、この曲はなんだか可愛らしくて好きです。

  

  • Mike Doussan / Yesterday’s Troubles

チャーリーさんが参加しているのでFacebookなどで宣伝してて存在は知ってたのを、WWOZやサムさんのラジオなどで曲が紹介されて聴くようになった、はず。多分。蓋を開ければドラムがダグさんだったりキーボードが現地在住の日本人コマキケイコさんだったりと見たことのあるお名前が並んでました(ドラムいいなぁと思いながら聴いてたんだよね。さすがはダグさんです。自分の言ったこともすぐ忘れるニューオリンズおじさんだけど!)。

いわゆるニューオリンズっぽさはほとんどなくて、全体的にちょっと物悲しいというか懐かしい感じの、これもルーツロックっていうんですかね。どうやら私ルーツロックと呼ばれるジャンルが好きみたいですね。未だよく分かってませんが。

お気に入りの1曲はRight Here With You。

 

  • Honey Island Swamp Band / Tres Avispas

www.musik-sammler.de

夏のヨーロッパツアーで限定販売されたミニアルバム。今後少し曲を足したりして正式にアルバムとしてリリースするらしいので、これを2019年リリースに含めていいのか微妙だけど、HISB好きすぎて外すという選択肢はなかった…。上記のリンクではCDの紹介は書かれてますがドイツ語だし、販売はしてません。現時点で独英アマゾンやebayなどにも出品されてない超レア盤です。私は夏にキーボードのChris Spiesさんがフジロックで来日した際にいただきました。ありがたや。(サラッと書いてるけどめちゃくちゃ嬉しい。大事件ですよ。)

で、本作ですが、クリスさんの加入やクリスミューレおじさんの怪我により前作Demolition Dayから少しメンバーチェンジを経て、現時点でのメンバーで制作されています。クリスさんが曲作りに参加したりギターがLee Yankieさんだったりボーカルがアーロンおじさんのみだったりと今までとは微妙に路線が違う気もしなくはないですが(ぎゅんぎゅんのスライドギターが減ったのと少しソウル〜ファンク寄りになったかな?)、春にこのメンバーのライブをストーカーの如く観に行ったからか個人的には違和感なかったです。正式なリリースが楽しみ。

とはいえクリスミューレおじさんの復帰も待ち遠しいです。

好きな1曲…どうしよう、全部好きすぎて選べない。