2019年ニューオリンズ・ルイジアナものあれこれ(前編)
去年(2019年)はニューオリンズに2回行けたのと、昼休みや通勤時間などにNew Orleans Music Show(WWOZのお昼の番組)をちょこちょこ聴いていたこともあり、わりと最新の音楽をキャッチアップできた一年でした(とは言っても、OffBeatのBest of the beat Awardのノミネート一覧を見ると知らないものもたくさんありましたが)。あとSpotify契約したのも大きかったかも。色々思うところはあるけど、やはり定額であれだけのライブラリーを聴き放題なサブスクリプションのシステムはすごいですね。
というわけで、2019年リリースのルイジアナ・ニューオリンズもののアルバムの中で、独断と偏見で10枚選んでみようと思います。
…が、まずは惜しくも選外の5作品。順不同です。:
- John Boutté / A Well Tempered Boutté
- Anders Osborne / Buddha and the Blues
- Bonerama / Bonerama Plays Zeppelin
- Lakou Mizik / HaitiaNola
- VA / Jazz Fest: New Orleans Jazz & Heritage Festival
もちろんどれも悪かったわけじゃないです。1~3については、まあ敢えて選ばなくてもいいか…というメジャー度なのと、ある程度期待値が高かったので想定内というかサプライズがなかったというか、そういった理由から外れました。むしろどれもハイレベルだけど、優等生が100点取っても驚かれない的な損な役回りという感じです。
4はタイトル通りHaiti meets New Orleansでとても面白いしゲストも超豪華だし楽しいんだけど、多分私がカリビアンの音楽そこまでストライクじゃないんだろうなー。といってもギリギリまで10選に入れるつもりだったのが、土壇場で後述する1枚新しいのに出会ってしまい、迷った末に外したという感じです。多分この人たち、ライブの方が断然いいだろうな。
5はジャズフェス50周年記念のボックスセット。内容の濃さといいボリュームといい圧巻なんですが、厳密には今年リリースの新曲ってわけじゃないし、色んな意味で規格外というか計測不能なので外しました。
というわけで前置きだけで既に長いですが、ここからが10選。順不同です。
- Sam Price and the True Believers/ Drafonfly
順不同と言いつつ、まずはやっぱりサムさん新譜!
パパマリさんプロデュースでフルアルバムとしてはTrue Believers初、OffBeatでも2部門でノミネートと評価も良い感じ。ベーシストのリーダーバンドってベースがごりごりぶいぶいしてるのが多い印象ですが、このアルバムはそういう感じじゃないです。むしろ歌詞にメッセージ性が強いのがサムさんらしい。HISBはカントリー寄り、OTRAはラテン寄りですが、このバンドはルーツロックっていうんですかね。いまいちルーツロックってよく解らないんだけど、OffBeatでもそこでノミネートされてたんで。なんにせよ、ニューオリンズの人は引き出しが豊かだなぁと思います。
お気に入りの1曲はCorner of Decatur。歌詞に出てくるCornere of Decatur and Esplanadeといえば、Jazz MuseumやBMC、Checkpoint Charlieのあるフレンチメンの入り口的な場所です。
余談だけど、Soulshineもいつかレコーディングして欲しいなぁ。
- Charlie Wooton Project / Blue Basso
そしてチャーリーさん新譜。
こちらもベーシストバンドですが、清々しくベースがごりごりぶいぶい言ってます。ボーカルはBuffa'sなどでおなじみArséne DeLayさん(ジョンブッテさんの姪御さんです)、他の参加者も豪華だし、プロデュースは一昨年のZydefunk来日公演でギター弾いてたDaniel Grooverさん。あのライブ楽しめた人ならきっと好きだと思います。
ちなみにこのアルバムもOffBeatでBest R&B/Funk Albumにノミネートされており、バンドはAwardのパーティにも参加が決まってます。この部門は他のノミニーがGalactic、Tank and the Bangas、PJ Mortonなどと強敵揃いなので授賞は厳しいかもしれないけど、この超花形部門でノミネートされただけでもすごいことかと。
お気に入りの1曲はFulton Alley、かなり好きなタイプのファンクです。