NCIS: ニューオーリンズ (S5E5)

弟ができた日 / In the Blood

寂れたコンテナのそばで4人の男たちが射殺される。コンテナには古いおもちゃが残されており、ドウェイン・プライドの名前が。プライドの幼少時の私物だった。数ヶ月前に出所したプライドの父、カシアスのものに違いない。また、コンテナから逃げた男はジミー・ボイドと判明。ジミーの母親が残した家に押し入ると、カシアスが監禁されていた。(スーパー!ドラマTVサイトより引用)

 

まずは何と言っても祝・100話!

嬉しい。嬉しいけど、正直言うと放送始まった頃はこんなに続くと思ってなかったのでびっくりです。S1は本家のゲストに頼りっきりだったし、ストーリーも粗かったし(まあこれは今も多少ある)。私はニューオリンズがロケ地って時点でもはや冷静に評価できないし番組続く限り観続ける気満々だったけど、じゃあ第三者にお薦めできるか?と言われると「うーん」だった。それが今や100話って、もう人気ドラマの仲間入りです。NCISブランドが助けてくれた面もあっただろうけど、LAからのスピンオフも失敗したしクリマイもスピンオフは2つともコケてるし、やはりNOLAのスタッフやキャストの皆様の成果と言えるでしょう。

そういえばキング演じるスコット・バクラさん、今まではご自身が主演のドラマでどうしても100話の壁を越えられなかったそうで、ついに悲願の100話でした。

で、今回はそんなキングがメインのエピソード。主役ながら今まで過去については意外とフォーカスされることがなかったのですが、今回少し明らかになりました。

 

冒頭のギャング殺害事件、当然のようにキングが現場に呼ばれてて「なんでやねん」と思っていたら、事件のあったコンテナから彼の名前の書かれた本が出てきたのでロレッタが呼んだのでした。そこから父カシアスに思い当たるキング。S2E1で、離婚して家を売ったお金でカシアスの仮釈放後の家を世話したと言ってましたが、現在彼はLafayetteに住んでいるようです。Lafayetteはルイジアナ南部にある街で、ニューオリンズから車で2時間くらい。人によってラフィエット、ラファイエット、ラフィエと色んな発音するのでどれが正しいのかよく解りませんが(ルイジアナ系の固有名詞にはこういうの多い)、出身の友人いわく「日本のサッポロみたいなところ」。「なんで?」と訊いたら「ご飯が美味しいから」との答えでした。

しかしカシアスは今週は保護観察官と連絡を取っておらず、しかもコンテナから見つかった血痕の主ジミー・ボイドという男と接触していたらしい。ジミー・ボイドはノース・カロライナ出身だが、母親の家がトレメ(Treme)にあるとのこと。

 

で、その家がキングの白昼夢にも出てきたここ。 

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キングがどうやって探り当てたのか、ジミー・ボイドはなんと彼の異母弟だったのですが、ジミーと母親(カシアスの愛人)の住む家がここだったんですね。息子を連れていくとかどんな父親だよって感じですが。

なお、トレメはロレッタ先生も住んでいる地区で、Trombone Shortyで有名なアンドリュース一家もここの出身。もともとはアフリカン・アメリカンクリオール系の人たちが多く住むエリアです。昔は「とても治安が悪いから昼間でも絶対近寄るな」と言われたこともありますが、今は場所によっては昼間歩く分には特に身の危険は感じません(前回行った時はトレメのAirBnBに泊まった)。ちょっと怖そうだなぁと遠巻きに眺めるエリアもあるので、不用意に歩かない方がいいかもしれませんが。

 

家の中では血だらけのカシアスが拘束されており、銃撃して逃げ出した女性をハンナとグレゴリオが逮捕。ハンナさん、肉弾戦というかパンチが強烈でした。女性の供述によるとカシアスは刑務所でトゥルー・ガード(殺されたギャング一味)に護衛してもらってたのに、出所したらお金を持って逃げて裏切ったと。ギャングたちはジミーを脅してお金を奪おうとしたのに殺されてしまったのだそうです。

お金は20年前のRiver Grand Casinoの強盗殺人事件で盗まれて行方が解っていない300万ドルで、キングはカシアスが黒幕だと思ってるようでした。このニューオリンズ版3億円事件(?)、調べた限り架空のようだしカジノも実在しませんが、過去にRiver City Casinoなら実在したようです。コンベンションセンターの近くで1995年に倒産、跡地をMardi Gras Worldのオーナーが買い取って、現在はRiver City Venueというイベントスペースになってます。ここがモデルになったのかな。

それにしても、前回は「ハンナさん登場でロレッタの立ち位置が…?」とか一瞬思ったけど、カシアスとのやり取りなどを見ているとやはり彼女の年季というか、キングとの間で積み上げてきたものは特別ですね。応急処置を受けた後病院へ運ばれますが、咳込むシーンなどもあり、ちょっと健康状態が心配です。まあ検査中にラサールの目を盗んで逃亡する元気があるくらいなので当分大丈夫そうですが。

 

カジノの強盗事件を再捜査すべく、キングは当時の唯一の目撃者ジーナのところへ行きます。今や同カジノで結構な肩書を持ってる彼女、なんと本家ダイアンの女優さん。生き返ってるよ! キングの友人でもあるジーナは、今も悪夢を見るけど捜査には何でも協力するわ!とのこと。

で、その後キングがバーの2階で再びサッターの白昼夢を見ていると、ジミーが現れます。ここで初対面。チームの皆さんにもさらっと「弟だ」と紹介してたけどみんなびっくり。そりゃそうよねぇ。

ジミーはカシアスの依頼でコンテナにお金を運んでいたと言い、逃げたカシアスの行先に心当たりがあるとしてキングと秘密のクラブへ行きます。こんな場所に「悪そな奴はだいだい(ある意味)友達」なキング連れて行ったら一発で身元バレそうなもんですが(実際バレた)、カシアスが偽造パスポートと愛車の権利書を受け取りに、St. Claude Aveのポンプ場に来ることを突き止めました。で、キングとジミーが向かったのがここ。

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この橋(St Calude Avenue Bridge)の下のあたりですね。Music Box Villageのすぐ近く。橋の下を流れる運河は過去エピソードではよく登場してたIndustrial Canalです。久しぶりの登場です。

キングたちが車を止めて待っていたのが、この橋の下のトンネルでした。

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しかしカシアスが現れると同時に何者かに銃撃されます。カシアスは再び逃亡、ジミーは彼らに拉致されてしまいました。

しかしキング、ここで毎度おなじみの職権濫用、カシアスの電話番号と居場所を突き止めて、メキシコとの国境近くで捕まえます。愛車にはお金が隠されていました。ジミーには偽造パスポートで一緒に逃げようと言っておきながら、もともと自分だけ逃げるつもりだったみたいですね。

その頃ラボでセバスチャンが20年前の強盗やコンテナの証拠を調べていると、ジーナが怪しいのではということに。ここちょっと解りづらかったんだけど、刑務所内のカシアスをギャングに護衛させ、出所後はお金を処分するよう依頼していたのを、カシアスが失敬して逃げようとした、と言う感じでしょうか。ジーナが欲しかったのはお金じゃなくて裏社会とのパイプ??

何にせよ、キングはジーナのイベント会場になぜかVIPパスで入り込み、「お金(とカシアス)を返すからジミーを引き渡せ」と迫ります。

このVIPパスを手配したのがここで演奏していたバンド、Nathaniel Rateliff & The Night Sweatsは残念ながらニューオリンズではなく、デンバーのバンドなようです。なのに付き合いが長いらしいキング、相変わらずの「お前何もんやねん」感(どうやらナサニエルさんとスコット・バクラさんがSt. Louis生まれと同郷なのでそういう設定だったのかも)。なお、演奏していた曲はYou Worry Meでした。

You Worry Me

You Worry Me

  • Nathaniel Rateliff & The Night Sweats
  • ロック
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

 

ジーナは警備担当のトッドと一緒に屋上に来て、お金とジミーを引き換えます。

屋上からSaenger Theaterの電飾がちらっと見えたので、場所はおそらくここでしょう。

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この白い建物の向こうにある、背の低い薄茶色のビルの屋上ですね。

この白い建物はLoews State Theaterという劇場?なようなので、ここがカジノという設定だったのかもしれません。

ジミーは無事取り戻せたものの、キングが電話でカシアスを呼び出すとトッドはジーナを殺してカシアスの車を銃撃。まあ車は予想通り無人だったんですが(ラサール今回唯一の見せ場…)、このトッドはカシアスの出所を知り、殺し屋を雇ってお金を取り戻そうとしたんですよね。彼もトゥルーガードの一味? で、カシアスの車は失敬したお金で買い戻したかつての愛車ってことですよね。なんか最後ちょっと解りづらかったです。

何にせよ、自分だけ逃げるつもりだったカシアスにがっかりしていたジミーですが、カシアスはシレっと「息子たちを愛してる」と。そしてトゥルーガードの情報と引き換えに証人保護プログラムを受けるようです。とか言っても、まだこれからも出てきそうな気がするなー。ジミーも最初は「異母弟なんて今更取ってつけたような設定を…」と思ったんですが、とても愛らしいキャラですっかり気に入ってしまったので今後も出てきて欲しいです。

最後にNathaniel Rateliff & The Night SweatsがTruToneでまた演奏してましたが、この時の曲はHey Mamaでした。

Hey Mama

Hey Mama

  • Nathaniel Rateliff & The Night Sweats
  • ロック
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

なおカシアス、ニューオリンズで有名なフィクサーで、あちこちに賄賂をばら撒いていた罪で服役していたんですね。S1E15ではキングがカシアスを到底娘(ローレル)とは接触させたくない、おぞましい犯罪者みたいな言い方をしてたので、てっきりシリアルキラーか何かかと思ってましたが、賄賂って意外と普通というか。いや普通じゃないか。まあキングとしてはカジノ強盗事件の殺人も疑っていたみたいだけど。しかし贈収賄だとすると、かつてハミルトン親子との確執ネタは掘り下げたら面白そうだよなぁ。まだ遅くない、是非いつかやって欲しいです。

 

そしてまた登場したサッター、正直存在意義がよく解らないし焦らされるものアレなのでもうさっさと解決しちゃってくれないかな~というのが本音。そして幻覚を見るような状態で職場復帰してるキングも心配です。危険な任務なのに…と思ったけど、本職はデスクワークなんだっけ。忘れてた!