The Weight Band @ Billboard Live Tokyo

昔はあんなに通ったビルボードですが、久しぶりでした。昨年9月のJOY-POPS以来。実は彼らのライブがニューオリンズもの以外の初ビルボード、そして今回も(ニューオリンズと深い縁があるとはいえ)別ジャンルだったので、最近のブッキングにいかにニューオリンズ成分が足りてないか、ということです(怒)。いや、怒ってもしゃーないな。お店としては採算合わなきゃ呼べないってだけの話だろうし…せつない。

 

さてこの日の公演、一応The Bandファンの端くれのつもりでしたが、このバンドの存在は全然知りませんでした。去年は新譜も出しており、予習兼ねて聴いてみたけどとても良い感じです。そして今回はLittle Featのメンバーも2名加わるってことで、「集客のために詰め込んだのか…でもお客さん来るのかな…」とか不謹慎なことを考えてたんですが、行ったらかなり盛況でちょっと意外(失礼)。だって普段の生活でバンドとかフィートとか1ミリも話題に上がらないんですよ。しかもこの日は「今日着なきゃいつ着るよ!」とばかりに去年サンフランシスコで買ったビッグピンクTシャツを着て行ったのですが、同行の友人いわく同じTシャツの女性がもう1人会場にいらしたそうで、The Bandファン意外といるんだな!という感じです。

 

開演前はなぜかずっとDr. Johnが流れていて、前方スクリーンにはThe BandやLittle Featの昔の写真がスライドショーで写っていました。当然というかLevon Helmさま多めで、出てくるたびに撮影してたら私のカメラロールが幸せなことになりました。

 

セットリスト、私が観た初日2ndはざっくり言うとLittle Feat→中盤にThe BandとWeight Bandのオリジナルなど→アンコールでDixie ChickenにThe Weightとお祭り状態。これを1時間半に詰め込むもんだからあっという間でした。他の公演は知らないけど、多分同じ感じではないでしょうか。楽しかった。もっと聴きたかったなぁ。欲を言えば最後にI Shall Be Releasedでラストワルツ感を出してくれたらもっと良かったんだけど。

 

私はLittle Featはそこまでフリークじゃない(ごく初期の曲はそこそこ聴くけど)ので、「わー、本物来た〜!」くらいで無邪気に楽しんでました。The Weight Bandももちろんすごく良かったのでかなり楽しめたし上述のようにあっという間で大満足だったんですが(特にキーボードのブライアンミッチェルさんがすごい良かった!)、どうしてもThe Bandの曲は本家の演奏が染み付いちゃってるのでつい要らんことを考えてしまう場面も。ていうか要するに「ああ、Levon Helmさまって本当に唯一無二の存在だったんだなぁ」と。私はThe Bandに関してはLevon Helm原理主義者なとこがあるし、そもそも彼らを好きになったきっかけは高校時代にサンテレビで観たUp On Cripple CreekのMVで「歌いながらドラムを叩く可愛いおじさん」だし(今思えばおじさんは気の毒すぎる年齢だった。女子高生残酷…)、彼が素晴らしいなんて今更言うまでもないんだけど、なんでこんなに好きなのかが腑に落ちたというか、アダムさんに対してどうしても「フレディじゃないし」と思ってしまうクイーンファンの方ってこういう心境なのかな…となりました。まあThe Weight Bandはそもそも正規メンバーいないので条件はだいぶ違いますが。

もちろん好き好きな部分もあると思うんですが、どうにもドラムが「硬い」気がしたんですよね。Up On Cripple CreekやOpheliaは原曲よりも少しテンポが早くて、それでも基本的にはThe Bandのアレンジに忠実だったんだけど、ドラムだけは少し引っかかるものがあったというか。と言ってもこのバンドの性質上どうしてもオリジナルと比べてしまって、だからこそ少し気になったというだけで、ダメだったとかでは全然ありません(むしろライブでThe Bandのカバー聴けるのは嬉しいので、現にHoney Island Swamp Bandのバージョンなんて存在だけで幸せだし、Last Waltz in New Orleansもいつか行きたいと思ってます)。

ただ、Levon Helmさまのドラムは昔から大好きだったものの何がどう好きなのが自分でもよくわかってなかったんですが、あえて言葉にするならあの「しなやかさ」なのかも…と今回思いました。

 

なんか最後ちょっとケチつけるみたいなこと書いちゃって申し訳ないんだけど、ほんとにライブ自体はとても楽しくて、ただ結果的にLevon Helmさまへの愛を再確認したという、そんな1日でした。あとビルボードは開演までが長いけど、同行者がいると話したり食べたりでわりとあっという間ですね。

 

そして恒例のアンケート。呼んでほしい人の欄にMavis Staplesを必ず書き込んでたんですが、いよいよ今年80歳になられたお方を遠い日本まで呼びつけるのは申し訳ない気がして、今回ついに外しました。でもよく考えたらそれは彼女ご自身が決めることなんだし、ダメ元で書いてもよかったかなぁと今になってちょっと後悔してます。ジャズフェスとかでうまく日程かぶるのが理想なんだけど。