Fuji Rock Festival 2019 #2

マタドール終演後、ほんのちょっとだけステージ後方にあるお店を見て(せっかく来たから少しくらいは…と。でも雨強すぎてあんま記憶ない)、その後バックステージに戻り、しばらく待ったらいよいよポーターさんです。タイムテーブル的には1時間近く待ち時間あったはずだけど、友達と話したり何やかやバタバタしてたりであっという間でした。最初タイムテーブル見た時はセットとセットの間が長くてびっくりしたんですが、移動距離やどこも混雑することなど考えたらこんなもんなのかも。

 

本日の大本命なので本当は外から観たい気持ちはあったけど、とにかく雨が酷いので結局袖から観させてもらいました(贅沢)。ステージ向かって左側、イアンくんがかなり観やすく、アイヴァン(敬称略)が一番遠い位置でした。

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ステージ裏を回れば演奏中でも反対側に移動してアイヴァン(敬称略)を近くで観ることもできたんですが、いざ始まると一瞬でも聴き漏らしたくない、見逃したくない!となって結局ずっと動かずでした。あと私のすぐ隣にYouTube中継用のモニターがあって、目の前でご本人たち演奏してるのに気になってついついチラ見。ちなみに当日フジロックにいた直接の知り合いは全員このステージを観ており、ニューオリンズつながりの自宅組の友人知人もかなりの率でYouTubeを観ていたようで、私の周辺ではオリンピックや紅白なんぞ比較にならない視聴率。そりゃそうだよねぇ。みんなポーターさん観たいよねぇ。「みんな」って主語大きすぎなのわかってるけど!

 

主語大きいで思い出した余談ですが、先日私がフジロックに行ったことを家族に話したところ「沢尻エリカ松潤山田孝之、あと沖縄県知事とかも行ってたみたいだけど見た?」と(ネットニュースかワイドショーだかで報道されてたらしい)。いやいやいや、会場どんだけ広くてどんだけ人来てると思ってるんですか。もともと約束してた人たち以外は、行動パターン被りまくってる知り合いすら結局見かけなかったというのに。特にこの日はみんなカッパ着てフード被ってたので「誰が誰やら」状態。というかそれ以前に、エリカ様はじめ若いキラキラ芸能人たちがField of Heavenみたいな年齢層高め泥臭めな音楽のラインナップに興味を示すともあまり思えないよなぁ。じゃあ何聴いてるの?って見当もつかないけど…だいたいこの日の他の出演者、ほぼ誰も知らんかったし。私もたいがい偏りが酷いのであれですが、これだけ大規模なフェスになると音楽嗜好が違うと見えるものも出会う人も全然違ってくるんじゃないかなぁと思います。それこそ一括りにできない。

…とここまで書いて気づいたけど、上に挙げた4人の顔、そもそも私普通に識別できなかった。そしてついでに思い出したけど、クリスさんが当日くれたメールにField of Dreamで演奏するよって書いててHeavenだよと訂正するタイミングを逸したまま終わってしまった。まあいいか。

 

閑話休題

ポーターさんのライブですが、アーティ兄さんが亡くなった直後のカリフォルニアでのライブでは明確にArt Neville Tributeとして行われていました(セットリストも当初の予定から多少変えたんじゃないかな…多分)。今回は特に言及はなかったものの結局ミーターズまみれだったので、少なからずそういう要素はあったのかなと思います。まあこのメンバーならもともとミーターズメインだっただろうし、セットリストまで変えたかは不明ですが。

噂によれば最初はFoundation of Funkを呼びたかったのだけど、予算不足とかジガブーさまが飛行機嫌がったとかでこのメンバーに落ち着いたんだとか。定かじゃありませんが、ジガブーさまの飛行機嫌いは初めて聞く話でもないので信憑性ありそう。なので私は来日は諦めてるし、ヒューストンさんもめちゃくちゃ好きなのでそこはまあいいか、と。ちなみにヒューストンさんは演奏中背中からずっと湯気出してて、文字通りsmokin’ hotで最高でした。惚れぼれ。まじで惚れぼれ。

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主役のポーターさんは、座っての演奏がほとんどだったものの(それでもアンコールには立ってPeople Sayやってくれた!)なんたってポーターさんだし、ジャズフェスの時に友人が何度も”George is still George”って言ってたけど、ホントそれ!!!でした。演奏中に表情がくるくる動くのもキュートですよね。

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正面から観た方が…とかなんとか色々言ってましたけど、雨を避けられた上にこんな近くで観れたのは結果的にはものすごくありがたかったです。クリスさんありがとう。でもって終演後は「ジョージと写真撮りなよ!」と(その日ずっと言ってくれてた)楽屋に連れて行ってくれて私のことを紹介してくれて写真撮ってくださって…神ですか。ポーターさんのライブの最中、「焼酎いる?」とかなんか数回話しかけてきて、内心「できればライブ中はあんまり話しかけないでくれないかな…」とかちょっと思っちゃってごめんね。ライブに夢中すぎて気のない返事しちゃった気がするけど…あ、でも焼酎ありがとね(涙)。

 

そしてポーターさんとイアンくんには、アーティ兄さんが亡くなったことへのお悔やみを直接伝えることができました。すごいどうでもいいけど、海外の犯罪捜査ドラマばっかり観てるドラマ脳なおかげで「近しい人を亡くした方に対してかけるべき適切な英語表現」が頭に刷り込まれていたらしく、なんも用意してなかったのにスルッと出てきたので、人生どこで何が役に立つかわからんもんだな!と思いました。そして「日本でニューオリンズ音楽を愛する人たちもみんな悲しんでいます」とも。ここは主語大きくしちゃっていいよね。

ポーターさんは「ここ最近だけでもスペンサー(Bohren)、マック(Dr. John)、デイヴ(Bartholomew)とたくさん友達を亡くしてしまった。とても辛いよ…。」とのことでした。数年スパンだとアラン・トゥーサンやチャールズ兄さんなどもそうだし、ご本人がお元気なのは喜ばしいことだけど、その分たくさんの人を見送らなきゃいけないわけで、お辛いと思います。イアンくんには「こんな大変な時期にもかかわらず来てくれてありがとう」ともお伝えしたのですが、「これが僕らの仕事だからね」と案外冷静というか、プロ意識の高いご回答でした。まだ亡くなって本当に日も浅く、来てくれただけでも感謝なのに。「代わりがいない仕事」というのは、価値あるものだけど大変だよなぁと凡人の私なんぞは思ってしまいます。

 

私のフジロックとしてはここで一応終わりで、広い広い会場のほんの一部に数時間いただけで一体何しに来たんや感もありますが、再会できた人たちや新しく会えた人たちと楽しい時間を過ごせたし、雨はひどかったけど音楽は本当に素晴らしかったし(HISBの貴重な新しいCDまでいただけたし! これ本題と関係ないけど地味にめっちゃ嬉しい!!)、思い切って行って良かったかなと思います。

 

備忘としては、ポンチョじゃなくてちゃんとしたメーカー(ミズノだったかな?)のレインウェアと、防水仕様の登山靴(こっちはブランド完全に忘れた)は偉大でした。念のため…と直前にレンタルしたんですが、特に靴! 雨さえ降らなきゃ我が家の一番丈夫なスニーカーで多分問題なかったけど、あの豪雨でもたいして浸水せず(すごい!)だいぶ快適でした。雨具は荷物の出し入れや風向きなんかでどうしても多少水が入り込んだけど、これは私の不慣れな取り回しのせいでウエア自体には何の落ち度もありません(行く前に少し相談に乗っていただいたガチ登山勢の知り合いはゴアテックスを熱烈に推してましたが、フジロック会場を昼間~夕方歩く程度ならゴアテックスでなくても大丈夫という印象です。テントで夜を過ごす人とかは解りません)。もし今回でハマって来年以降もずっと行くようなら購入も視野に入れてお試しで借りてみたけど…案の定そっち方面に目覚めることはなかったです。所詮インドアだしな。

ただ「行ったら遭難するかも」くらいに思って長らく敬遠し続けていたフジロックへのハードルが少し下がったのは事実なので、今後もラインナップとタイムテーブル次第では再び行くこともある…のかなー。どうだろう。まあ私が悩んでしまうようなすごいラインナップを是非今後もぶち上げていただければと思います。でもって東京で単独公演が追加されればベストかな、と(小声)。

 

後日談として、フジロックを終えた後クリスさんとネイトさん、イアンくんとヒューストンさんはしばらく東京に滞在していたようです。皆さん楽しそうな写真をインスタとかに上げてるので見てみてください。クリスさんとネイトさんは私も移動のお手伝いをしたり食事したりで都内でも少しお会いしたのですが、食べ物に随分感激してました(私の知る限り毎日お寿司食べてたんじゃ…)。ニューオリンズも美味しいし、ニューヨークだって何でもありそうなのにね。でもとても東京気に入ってくれたみたいで嬉しいです。またいつでも来てね! できればもう少し涼しい時に。マタドールならビルボードかクアトロあたりで呼べないかなぁ。次のビルボードアンケートに書いておこう。

 

もう一つ後日談としては、ポーターさん最後の来日かも…と感傷的になってたけど、土曜にフジロックを終えて帰国後、週明け月曜の夜にMaple Leafの恒例ライブ、火曜はEsplanade StudioでTree Adamsさん(NCIS:ニューオーリンズの音楽担当の人)やアイヴァン(敬称略)たちとレコーディングされてたらしい…って元気だな。私なんて月曜は最初から有給取ってひたすら寝てたけど向こう数日使い物にならなかったのに。最近はもうご高齢の方々には「来てください」ではなく「こちらから喜んで伺いますのでどうかお身体許す限りステージに立ち続けてください」というスタンスなんですが、もう一回くらい来てくれるなんてこともあるのでは…と、ほんのり期待してしまいます。でもまあフジロック以降ニューオリンズ行きたい熱がいつになく高まっててきっとまた遠からず行くので、どうかご無理なさらず、ですね。