Jazzfest 2019, April 29 #2

初日に一緒に過ごした友人から、この日の夜に面白いイベントがあるよと誘ってもらってました。2組出演で、前半は初日の深夜にも少し観たLuther Dickinson、そして後半がMardi Gras Indian Orchestra。これはDavid Montanaをフィーチャーしたバンドで、絶対楽しいよ!とのこと。マルディグラインディアンをライブハウスで観る機会って意外となかったので(昔シリルさまのライブにゲストで少し出られたくらいかな)これは良い機会、今回誘いは断らない方向だったし大してチェックせずとりあえず行くつもりでいましたが、貰ってたフライヤーを当日よくよくチェックすると、Russell Batiste、Daryl Johnson、Sunpie Barnes、Reggie Scanlan、Joe Cabral、Brian Stolzなどなど…ってちょっとなんだこれ!! な豪華メンバー。Zydefunkなら先約裏切るかもとか書きましたけどやっぱりどっちにしろ裏切れなかったかもな。ラッセル生存確認も嬉しいし、レジーさんとダリルさんでダブルベースなん?とか妄想も膨らみまくり(結局違ったんですけど)。

しかしこのイベント、フライヤーを手にして中身を見ない限りこの贅沢なラインナップはほぼ知る術がなく、OffBeatやWWOZだけでチェックしてても絶対たどり着けなかったと思うんだよね。ホントにラッキーでした。

 

場所はHi-Ho Lounge。St. Claude Ave沿いなので何度も前を通りかかったことはあるけど中に入るのは初めてです。まだまだ行けてない場所たくさんあるなぁ。着いたら1組目は始まってて、とはいえこちらがメインのお目当てではなかったのでサイダー飲みつつ(そろそろお酒も疲れてきてたのでほとんど飲めなかったけど)隅の方で観てたら、前夜Maple Leafで会った友人と再会して、しばらく話してました。毎晩色んな選択肢あるのに連日でかぶるの面白いな。誘ってくれた友人とも少し話したりして、前半のライブはあんまりよく覚えてません…とりあえず全体的にカントリー風味だったような。悪くなかったけどあんまり印象に残る感じでもなかったかなぁ。HISBのアルバムプロデュースしてるくらいだからもっとハマっても良さそうなのに。ただ最後の曲の時に客席で突然タンバリン叩き始めた人がいて、しかも無駄に上手くて何者?と思って見たらDavid Montanaさんでした。タンバリン触らせてもらった!

 

休憩時間はお店の外にもテーブルが出ており涼しくて気持ち良かったので、外で友人と話したり写真撮ったり、ふらっとやって来たWindex Peteという謎のラブボードおじさんに遊んでもらったりしてました。この人、なんていうか色んな意味でザ・トレメおじさん!て感じだったんだけど、案の定というか、アンドリュース兄弟などのバックでジャズフェス出演されたりしてるらしいです。

で、そんな感じで外で時間を潰していたらいつの間にか通りにHubig’s Pieのロゴのバンが泊まっており、結構素敵な感じのおじさんがそこから楽器やらの運び込みを開始。Hubig’s Pieといえば、地元民に愛されながらも10年ほど前にお店が火事で閉店して以来再開の目処が立たずに今に至る幻のお店。なんでそんなお店の車が? ていうかこのおじさんお菓子屋というより音楽関係者ぽいけど何者?とか思ったものの、声をかけて訊くほどのこともないしとそのままやり過ごしてました。

 

そして後半ステージ開始。1曲目がIndian Redだったんですが、ものすごい音圧! しかもモンタナさん、タンバリンだけでなく歌もめちゃ上手い。お父様(Tootie Montana)は私の知る限り音楽方面では特に有名じゃないので意外でした。ニューオリンズのミュージシャン層の厚さというかポテンシャルというか、やっぱりすごいなぁ。

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(ブーツだけインディアンスーツなモンタナさん。)

 

しかし…しかし。モンタナさんもすごいしレジーさんも観れて大感激(ずっと座ってたけどお元気そうでした!よかった!)、ラッセルおじさんも絶好調だったんですが、そんな豪華な面々を差し置いて冒頭から全て持ってってしまったのが飄々としながらもキャラの濃いパーカッショ二スト。HISB以来、久々に私のハートを奪うおじさんの登場です。

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(とにかくかっこいい。この突っ込みどころ満載な帽子も素敵…。途中から取っちゃったけど。)

 

なにあれ素敵! 誰??! 気になってフライヤーのデータをこそっと調べたところ、Rosie Rosatoさんだと判明。あー、この人知ってる!チャーリーさんとかと一緒に演奏してる人!お名前はFacebookなどで時折見かけてて、名前から女性かと思いきや結構マッチョな感じのおじさんだったので記憶に残ってました。ルーズベルトかな。そして彼が先ほどHubig’s Pieのバンから楽器運び込んでた「結構素敵な感じのおじさん」でした。

 

ライブはざっくり3部構成で(あくまでざっくり)、まずはインディアンチャントが中心、その後ミーターズ系(ここでダリルさん登場!もちろんめっちゃテンション上がった!)、そしてザディコ系(それまでタンバリンとコーラスがメインで若干無駄遣い感のあったサンパイさんがここでようやく本領発揮)という流れでした。メンバーは所どころ入れ替わったりしてましたが、ロサト師匠はほぼ出ずっぱりだったので、ダリルさん登場時ですら目を奪われがちでした。とはいえダリルさんを結果的に3回も観れたのはラッキーです。

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(ダリルさん本日2回目! スリムなのでペリカンズ服がとてもお似合いです。)

 

ドラムは大半がラッセルおじさんでしたが、ちょこちょこ若い女性ドラマーが代わって演奏。前回Special Forcesの時に途中から突然ステージに乗り込んでカウベル叩いてた人でした。あの時も上手いなーと思ってたけど、ドラムもめちゃくちゃカッコいい! ラッセルおじさんと比べても遜色ないレベルです。ちょっとラッセルとドラミングの雰囲気が似てるんだけど、お弟子さん? 年齢的に娘さんという可能性もあるか…見た目は全然似てないけど。名前がクレジットされてなかったので詳細不明ですが、この上手さだとそのうちちゃんと出てくると思うので要チェックです。

 

ライブ終わった時にはほぼ3時回っており、さすがにお客もまばらでしたが(終演直前にお客さんをカウントしてたロサトさんが超可愛かった!)、私は次の日は昼過ぎまで特に予定もなかったし、こんな楽しいライブ途中で帰れますか!ってことで最後まで観てました。いやはや、こんなすごいバンドあったんですね。後から調べたところによると、Mardi Gras Indian Orchestra名義ではマルディグラとジャズフェス期、あとは時々French Quarter Fesでのみライブをしているっぽいです。メンバーはモンタナさん以外は結構流動的なのかな、過去の動画観てると山岸さんやHISBキーボードのクリスさんなども参加されてました。クリスさんとインディアン、意外!

 

ちなみに終演後のロサト師匠は再びバンに楽器を運び込み、運転席で何か飲みながら一息ついてたんですが、あれ絶対プロテインな気がする。めっちゃ鍛え上げてる感じだし。そしてよく見るとコスチュームはSkull & Boneだし、なんか色々突っ込みたいんだけど、あんまりに心を持って行かれて緊張してしまい「最高に素敵でした!」とお声をかけるのが精一杯でした。その時にニコ〜って笑ってくださったのがめちゃくちゃキュートで萌えホルモンが噴出しました。写真一緒に撮っていただけば良かったなぁ。

 

帰国後、こういう時にだけ無駄に発揮するリサーチ能力を駆使して色々調べたところ、結構昔からインディアン系の方々とは縁がありそう。ジェンベを叩いてらっしゃる写真を結構見つけました(だから師匠)。現在定期的にはライブをしてなそうですが、ラッセルおじさんやダリルさんのライブには時々参加されてるようです。でもって常にあんなにキャラが濃いわけではなく、普段はラフにTシャツ短パンみたいな感じで出演されてました。これもまたカッコいいんだ。そして眼鏡も素敵。しかし一番驚いたのが、ベトナム戦争に従軍されていたベテランだった…って、え、ちょっと待ってお年幾つなの??! ベトナム戦争といえばロッシだけど(ドラマ脳)ジョー・マンテーニャさんが現在71歳。うん、どう逆算してもそんなもんよね…50代後半でも余裕で通用しそうな若々しさとカッコ良さだっただけにびっくりです。しかもコンバットにも参加されていたガチ軍人さんっぽい(なんていうか、入隊しても皆が皆コンバットに参加するわけじゃないという当然の事実をNCISから学んだドラマ脳な私)。あの鍛え上げられた身体にもなんだか納得がいきます。

年齢も年齢だし、あとぶっちゃけ退役軍人なら年金も出てるだろうし、生活のために音楽やる感じじゃなさそうなのでレギュラーライブがないのかな。なのでタイミング合うかわからないけど、本当にものすごく素敵だったので次回ニューオリンズ行った時も是非お目にかかりたいです。幸い一時期生存すら危ぶまれたラッセルおじさんも最近は結構ちょくちょくライブやってるみたいなので、うまく滞在とぶつかるといいなぁ。そして、外国人の若造(あくまで比較の問題)が軽々しく訊いていいものか分からないけど、彼自身の生い立ちとかベトナム戦争のこととか、話を聞けたらなぁという気持ちも実は少しあります。もちろんデリケートな話題なので不躾に尋ねる気はないですが。まあ一番訊きたいのはHubig’s Pieのバンに乗ってた理由なんですけどね。