Rest in Peace, Mr. Art "Poppa Funk" Neville

ニューオリンズ、訃報が続きます…。

アーティ兄さんこと、Art Nevilleが、7月22日に亡くなられたそうです。

 

現地メディアの報道。

まずはやはりKeith Speraさんの記事。現地のお昼に訃報が出たためか、その日のうちに追悼文がフルでアップされました。

そういえば、最近AdvocateとPicayune(nola.com)が統合(?)されたらしく、キースさん結局古巣に戻った形になりますね(彼はPicayuneをレイオフされてAdvocateに移った過去があります)。もう何度も書いてますが、この人の文章は本当に愛にあふれていて素晴らしいです。とはいえネイティブでない私が勝手にそう感じているだけなのかな?という思いもあったのですが、アメリカでも同じように感じている方がいることを最近ふとした経緯で知り、少し嬉しくなりました。

 

そしてOffBeat記事はこちら:

 

もちろん、WWOZも報じています:

ちなみにWWOZの平日お昼の番組New Orleans Music Showのアーカイブを聴いていたところ、この番組の最中(現地の午後1時過ぎ)に訃報が伝えられ、そこからアーティ兄さん追悼プログラムに切り替わっていました。メモリアルサービスや追悼イベントなど、きっとまた後日放送されるのではないかと思います(Dr. Johnの時に知ったのですが、この手の番組はアーカイブを残さないようなので、聴きたい方はリアルタイム又は録音必須です)。

 

以上、代表的なものだけ紹介しましたが、他の多くのメディアも報じており、TLは追悼記事であふれていました。

 

日本語メディアでも、Dr. Johnの時ほどではないものの多少ニュースになっていて、J-WaveでもNeville Brothersの曲が2回くらい流れてました。ネット記事はざっと見た限り、Billboard Japanが一番詳しく報じてたかな:

 

アーティ兄さんはもう随分長い間体調が良くなさそうだったし、何より昨年末に引退を表明したこともあり、あまり長くないんだろうな…という覚悟はありました。

今にして思えば、2010年のジャズフェスの時点で「アーティ兄さんが立ち上がった!」と大騒ぎしていたくらいですし、記憶が正しければそれより前の来日公演でもすでに足元は覚束かず、体調は良くなさそうでした。にもかかわらず、その後もfunky Metersで何度か来日してくださりました。「来日」って簡単に書くけど、そしてつい気軽に「来て欲しいな〜」とこ言っちゃうけど、十数時間のフライトってめちゃくちゃしんどいですよ。アーティ兄さんよりはだいぶ若くて特に大きな病気のない私でもニューオリンズへの飛行機移動は毎回結構つらい。しかも直行便ないし、入出国の手続きは平等にあるし(あれ混んでるシーズンだと地味に心身削られる)、時差もあれば水も空気も食事も違う。そんな中でもギリギリまで世界各地へツアーをされていて、もちろんご本人が望んでらしたんでしょうけど、相当過酷だったはずです。最後の方のビルボード公演などは、演奏中に時々記憶が飛んじゃったかな?みたいな場面もあり、客観的に評価するなら褒められたものではなかったのかもしれません。この状態でステージに立つのはプロとして潔くないという考え方もあるでしょう。でも、(もうここは聴き手との関係性の話なので馴れ合いと言われればそれまでですが)私は来てくれるだけでも嬉しかったし、時折ふらふらしながらも何だか楽しそうなアーティ兄さんと、彼を優しく見守るようにフォローしながら演奏するメンバーをを見ているだけで感謝と感動しかありませんでした(ネヴィル第一世代は私にとって現人神のようなものなので、評価が甘いことは承知の上です…)。

私は死後の世界的なものは特に信じてないけど、ことアーティ兄さんに関しては「今までありがとうございます。本当にお疲れさまでした。これからは痛みも苦しみもない世界でゆっくり休んでくださいね。」という気持ちしかありません。まあアーティ兄さんのことだから「もう痛くも痒くもないぜ! 弾き放題だぜ!」とばかりに嬉々として音楽三昧の生活に戻っていそうですが。

 

ひとつだけ個人的に残念なことがあって、Neville Brothersの4人のうち、アーティ兄さんとだけはついに一緒にお写真撮っていただくのが叶いませんでした。でも演奏はたくさん聴くことができたし、形に残るものだけが思い出じゃないですからね。

月並みだけど、アーティ兄さん、本当にありがとうございました。