Jazzfest 2019, April 28 #1

私にとっては今年のジャズフェス最終日。3日ってあっという間だなぁ。

 

相変わらずゆっくり目に起きて会場へ。

インディアンパレード見たりしつつ、最初はCongo Square StageでWalter "Wolfman" Washington and Roadmastersでした。前回dbaに観に行ったら別の人(Les Getrexさん)だったので、リベンジです。正直、大ファンできゃああ!ってわけでもないんですが、ニューオリンズ行けば何だかんだで結構観てるし、いざ観ると「かっこいいなぁ!」となるお方。ドラムはおなじみWayne Moreauさんですが、さすが野外の大きな会場で聴いても素晴らしいですね。

途中でErica Fallsさんが1曲飛び入りしました。彼女はこの直後のAretha Franklin Tributeに出演する予定だったので、早めに入っていたのでしょう。ちなみに彼女を初めて観たのはCreole Joe Bandの来日公演で、当時から素晴らしい歌声で会場を盛り上げていましたが、まだ若手の駆け出し的な立ち位置でした。その後ニューオリンズ内で着々と知名度や評価を上げていき、今年は彼女単独のステージがGentillyで行われるまでになっています。すごいなー。今後も楽しみですよね。

 

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(エリカ姉さん登場。かっこいい!)

 

で、その後のアレサトリビュートも少しだけ聴いてたんですが、やはりIrma Thomasを見逃す訳にはいかないのでAcura Stageへ移動。さすがにかなりの人です。

まずはバンドだけでしばらく演奏してから満を持してのアーマさんご登場。これ、ご高齢の方だと少しでも出演時間減らせるし出てきた時に盛り上がるしいい作戦(?)ですよね。アーマさん、今年デザインのBayou Wearのロングワンピース姿でした。

 

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(か~わいいー、素敵!!)

 

ロングワンピースはラインナップにはないのでオーダーメイドでしょうか。いいなぁ、これ。私も欲しい…XLサイズのラップスカートあたりをリメイクして似たもの作れないか…という考えが一瞬頭をよぎりましたが、どう考えても着る機会がないので普通にSサイズのラップスカートを買いました。夏に履くのが楽しみです。

去年聴けたゴスペルステージももちろん素晴らしかったけど今年は有名曲満載なセットリスト。実はTime is on My Side生で聴いたの初めてでは。そういえばこれストーンズがカバーしてるんですよね。そしてストーンズ経由でこっちに入ってくる方も結構いらっしゃるんですってね。自分はわりと直でニューオリンズ音楽に入ってしまったので、随分後に知ったのですが。白ハンカチ(アーマさんは手元の布でも紙でもなんでもオッケー!とのこと)を振ってのアイコアイコなどもあり、とても楽しいステージでした。最後はHeart of Steelをワンコーラスだけ歌って退場。もうちょっと聴きたかったけど、ご年齢考えたら充分過ぎるくらいです。声も相変わらず出てるし、どうかお元気で少しでも長く歌い続けていただければなぁと思います。

 

次はJazz Tentで“Give the Drummer Some” featuring Herlin Riley, Shannon Powell, Terrence Higgins & Johnny Vidacovich

…ってもう、名前見ただけで血圧上がりそう。

ていうか1つのステージにドラムセット4台って、ふざけてるのか本気なのか。なんにせよこの4名を同時に観られるなんて、ジャズフェスならではの貴重な機会だと思います。

とか言いながら次もあったので途中までしか観れなかったんですが、私の見た範囲での構成は、最初に4人でセッション(ピアノがTorkanovskyさんでした。他にもベーシストいたけど誰か思い出せないというか多分知らない人)→その後1人ずつのドラマーさんを順にフィーチャー、という流れでした。1人目はヒギンズさんだったかな。2人目のヴィダコヴィッチ王子まで見届けました。なんだかんだ彼が一番お目当てだったので、退出前に観れてよかったです。ピアノの真後ろにいらしたのでお姿が見えづらかったのがちょっと残念だけど。

途中までしか観れなかったので全員のドラムをがっつり聴き比べたわけではありませんが、それでも同じ「ニューオリンズドラマー」といえど四人四様に特徴があって面白かったです。ヴィダコヴィッチさんはさすが「王子」の異名をとるだけあって(って私が勝手に呼んでるだけか)、あらためて聴き比べると上品というか優雅なドラミングでした。

確かダグさんだったかな、彼のドラムソロはメロディを奏でているようだ、みたいなことを言ってらしたけど、本当にそんな感じです。今回はニューオリンズ風味がすごく強いわけではなかったですが、とても王子らしい美しいドラムに萌え汁が出ました。それにしても、彼もジャズフェス第1回目から出演されてるそうで、結構ご高齢なはず。ジャズフェス期間中も結構なペースでライブをされており、まだお元気そうなので何よりですが、今後も少しでも長く演奏続けていただけると嬉しいです。

 

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(スクリーンで辛うじて見える感じだった。王子なんだからもっと真ん中で君臨してくれてもいいのに…)

 

ドラム祭りを後ろ髪引かれながら途中で抜けた後は、続けて第1回からの出演者、Big Chief Monk Boudreaux & Golden Eaglesです。今日は年齢層高めだな…。

前日、一緒にお写真撮っていただき大感激だったんですが、不届きなことに実はまだライブ観たことなかったんですよね。ついに生モンクさんです。

さすがにお歳を召されて大きなスーツは大変なのか、比較的シンプルな水色系のスーツでのご登場。とはいえ十分に暑いし重いはず。ご無理はなさって欲しくないのですが、とはいえやはりスーツ姿のモンクさん見るとテンション上がってしまいます。

しかも1曲目がいきなりIndian Red…冒頭から大本命!!

もちろん打楽器満載でその他は余分なアレンジなしのこれぞオーセンティックなザ・マルディグラ・インディアンなチャント。もう、この1曲が聴けただけでもニューオリンズに来てよかったです。神々しかった…。モンクさん、ありがとう(号泣)。

ニューオリンズには素晴らしいスタンダード曲がジャンル問わずたくさんありますが、中でも私にとってIndian Redは特別な1曲です。というかもはや半ば執着に近いレベルで、10年ほど前からコツコツと様々な音源を収集し続けており、今や70バージョン近く集まりました(同じ人の別ライブバージョンとかも含む)。なのでこの曲については色々思うところがあるのですが、やはり本来の形であるインディアンチャントのアレンジでBig Chiefたちが歌うとなると特別です。中でもマグノリアズ、チュピトゥラス、そしてイーグルズは私の中で3大トライブ。先の2組を生で観るのが叶わなかった私にとって、最後の砦であるモンクさんのIndian Redを生で聴けたのは生きてて良かったレベルの感動で、涙が止まりませんでした。ああ思い出すだけで泣きそう。まあ客観的に見れば、「別にそこ泣くとこちゃうやん」という、ごく普通のオープニングだったかもしれませんが…。

 

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(モンクさん、神々しい…)

 

そこから先のステージも、いわゆるオーセンティックな感じのインディアン感溢れるものでした。インディアンの曲はファンクやブラスバンドとも非常に相性がいいので”Heritage” Stageといえどそっち系の出演者も多いし、それはそれで大好きなんですが、やはりインディアンならではのバージョンをこのステージで観ると、ニューオリンズに来て、(暑いし疲れるけど)ジャズフェスに来て良かったなぁとしみじみ思います。そして本当に、モンクさん間に合ってよかったです。ていうか、まだまだもっと観たいです。またニューオリンズ行かなければ!

 

注1:マグノリアズは厳密にはビルボードの来日公演で一度観てますがBo Dollis不在でした。現在はジュニアが跡を継いでおり、私の周りではことごとく残念との評判なんですが、観たことないのでなんとも言えません。お父様が偉大すぎるゆえ気の毒な気もしますけど、ここまで評判良くないと逆にどんななのか気になる。)

注2:後日書きますが、この時点では(音楽的には)上記3組が私的3大トライブでしたが、後にポカホンタスが加わって私の中では4大トライブとなりました。知らんがな。