Jazzfest 2019, May 1 #1

早くも最終日。

この日は午後からアップタウンにあるNOLA BrewingでCosmic Crawfish Bowlというイベントです。以前滞在した時に知り合った地元の友人が誘ってくれていました。名前からして多分ビアバーなんだろうと行ってみたら、確かにそうなんですがお店に加えて隣接された倉庫みたいな広い場所(醸造所?いやそんなわけないか…)があって、店内と倉庫内にそれぞれステージが組まれてました。更に屋外の駐車場みたいな場所には屋台がいくつか出ており、小規模な半野外フェスって感じです。この日の午後は少しだけ雨がパラつきましたが、すぐに止んだしステージは基本屋内だし全然問題なかったです。今回の滞在で雨に遭ったのはこれだけ。前後に雨でジャズフェスが一部キャンセルになったことを思うと、お天気に恵まれてつくづくラッキーでした。

 

着いたらメインステージでTreme Funktetのライブが始まってました。久しぶりのCorey Henry、やっぱりかっこいいなー。

そしてギターは山岸さんでドラムはヒューストンさん、このお2人は昨年以来ですが、今回他に観れる機会なかったので嬉しいです。山岸さん目当てか、日本人らしき人も2〜3名いらっしゃいました。顔覚えてないとかじゃなく、正真正銘存じ上げない方ですが…多分。

f:id:crescentagency:20190806224322j:image

(写真が上手く撮れてないけど山岸さんが奥に写ってる)

 

そんなに混んでなかったので、演奏聴きながらふらふらとお店の様子を観察してると、ミュージシャンの写真が壁一面に貼ってある一画や、2階には開放的な感じのテラスなどもあり、とてもいい感じ。ビールもタップがいくつもあり、この日はイベント仕様でメニュー縮小されてたけど食事もできて、ビール好きな人なら何もない時でも十分楽しめそうです。

 

Funktet終わったら友人に再会。この人は音楽関係者ではない…というか本業は音楽と全然関係ない職業の地元民なのですが、このイベントのお手伝いをしてるとのことで声をかけてくれたのです。前回サスペクツのライブで知り合ってなぜか私のことを気に入ってくださり、次来るときは絶対に連絡して!と言ってくれてたのですが、あの時はみんな相当出来上がってたので社交辞令かな〜と思いつつも一応出発前にメールしてみたところとても喜んでくれました。ありがたい。ありがたすぎる。ていうかこの「どうせ忘れてるだろ」「どうせ社交辞令だろ」的な思考、ほんと何とかしたいなぁ。。

 

ライブの合間などにしばらく話してたんですが、通りかかる人の過半数くらいなレベルで挨拶を交わしていたので友達が多いのねと言ったところ、ニューオリンズは小さい街だし、こういうイベントには特に音楽の趣味が似た人が集まるから友達と言わないまでも顔見知りは自然に増える(逆に、例えばメタル関係のイベントとかに出入りしている人たちは多分ほとんど面識ない)、ていうかあなたなんて住んでないのに友達いるじゃない!と。なるほど、そういうもんなのか。確かに一旅行者の私でさえ、この1週間ほぼ朝から晩まで音楽聴きに出歩いてるとちょくちょく友人知人に出会ったり、何となく見たことある顔に再開したりを繰り返してたので、なんか納得です。住んだら居心地いいか面倒くさいかのどっちかだろうな。私はどっちなんだろう。

 

続けてはRoosevelt Coullier Nola Get Down。

ルーズベルトさん、数日前のサスペクツのイベントでは途中参加で少ししか観れなかったけど、今回はクロウフィッシュにビール楽しみつつしっかり観れました。しかしクロウフィッシュ、1ポンド半という大容量で食べきれるのか不安でしたがわりとあっさり完食。美味しかったけど、半年分くらい塩分摂った気がします。

f:id:crescentagency:20190806224606j:image

(バンドの写真が上手く撮れてなかったのでザリガニでお茶を濁す

 

何の予備知識もなく行ったら、ドラムTerence Higgins、ベースEric Vogel、パーカッションMike Dillonsと何気に豪華!(ちなみルーズベルトさんじゃない方のギターは知らない人だったけど、多分私が知らないだけで結構有名なんじゃないかと)。このメンバーなので当然ファンク全開です。これは期待以上にかっこいい。こういう時ってすごい「ラッキー!」ってなりますね。というか友人の話じゃないけど、音楽の趣味が近い人が勧めてくれたイベントなだけに外さないってのはあるんだろうな。

そしてサスペクツでは背後で黒子に徹して全然見えないエリックくんを明るい所で観れたのが貴重でした(でもよく考えたらジャズフェスで明るい所で観たじゃんていう)。

 

他にもサブステージ的な所で幾つかライブも観てたんですが、夕方くらいには会場を出ました。友人には「またFacebookでね!」と言われ、実際この人はわりとマメに更新しており、私も(投稿するネタはあんまりないんですが)ちょいちょいコメントなどしてやり取りがあるので、なんだかあまり遠くにいる気がしません。Facebookは正直めんどくさいことや胡散臭いことも多いのですが、情報収集や遠方の友達とのやり取りには便利なんですよね。その代わりにいろんな物を差し出してる感は否めませんけども。

 

その後フレンチクオーターに戻り、これで今回のニューオリンズも最後かぁ…と少し寂しくなりながら時間を潰してからArt Garageへ向かいました。ここは先日インディアンの素晴らしいライブを観たHi-Ho Loungeの隣。ライブハウスというより、その名の通りガレージを改装したギャラリーみたいな場所でした。ここでは5日間ほど、Instrumentheadというミュージシャンの顔部分が楽器になってる写真(文章だと何がなにやらなんですが、こんな感じ→ Replace Head With Instrument: Surrealist Music Photography : A Blog Supreme : NPR。こういう写真集が出ているそうです)と、ジャズフェスのライブペインティングの絵を展示してました。このギャラリー内にステージを設置して、夜に1日数組バンドも出演という形式(私の帰国後にチャーリーさんも出演してた)。このイベント、Dirty Coastなど地元店舗や企業がスポンサーになってて宣伝をよく目にしていたので何となく知ってたんですが、ジャズフェス初日から何度も付き合ってくれた友人が、私が帰る前にここで少し会おう!と電話をくれたので寄ってみたのでした。

Instrumentheadの展示は、ニューオリンズに縁の深いミュージシャンの写真を中心に、それらを撮影した際のエピソードも添えられていて結構面白かったです。どうやら合成とかはしてないらしく、中にはどうやって撮ったんだろ?って物もあり、思いの外じっくり観てしまいました。そして顔が隠れていて首から下と楽器だけなのにほぼ誰だかすぐに判るって、よく考えたらなかなか面白いなと。その辺が写真家さんの狙いなんですかね。よくわかりませんが。

そしてジャズフェスのライブペインティングも、ニューオリンズに縁のある人たちがメインの展示。これ、ステージの端の方で描いてるの何度か見かけたことあるけど完成品をちゃんと見るのは初めて。芸術ポンコツ脳なのでライブペインティングの趣旨って今ひとつ分からなかったんですが、確かにとても躍動感のある絵でした。こちらも描いた時のエピソード付きで、これが描き手さんの音楽愛が伝わってきてとても良かったです。ちなみに絵はレプリカが売りに出されてて、収益はMusicians Clinicに寄付されるようでした(イベントの入場時にも寄付を募っていた)。

アート方面は全然期待してなかったんですが、思いのほか楽しかったです。

 

ライブは、ちょうど私のいた時間帯はKirk Joseph、Roger Lewis、Kevin Harris 、Terence Higgins、Big Sam、Jamie McLeanというラインナップ。なんとヒギンズさん本日2回目。誘われるがまま何も知らずに出かけたのに結果的にストーカーになってしまった。ジャズフェスでも1度観てるので、滞在中3回観たことになります。セットリストはこのメンバーなので、ニューオリンズブラスバンド曲が中心。

f:id:crescentagency:20190806225449j:image

(カークさん観れたのも嬉しい誤算でした!)

 

ステージも会場も狭いのですごい音圧だし、ガレージ内の照明(いわゆるステージ照明じゃなくて建物全体の)がアーティスティックで素敵な雰囲気だったので独特な異空間でした。そしてもしかしてBlackbird Specialを現地で聴いたの初めてじゃないかな。テンション上がりますね。友人とそのお連れさんとも会えて少し話したり絵を観たりして、また絶対会いたいねと約束してお別れです。きっとまた会えると思うけど、ていうかニューオリンズで知り合う人たち下手に日本で疎遠な友達より会えちゃうくらいなんだけど、でもやっぱり寂しいなー。皆さん仲良くしてくれてありがとう。

 

そんなこんなで、今までニューオリンズでは基本単独行動だったのが、何度か行くうちに少しずつ人の縁ができてきたので、今回は極力お誘いは断らない方向で行動してみました。この日のイベントも2つとも多分1人では行くことなかった(でも行ってみたら楽しかった)し、今までと少し毛色の違う違う滞在だった気がします。日本ではお世辞にも社交的とは言えない私がここまで行動できたのは自分でもびっくりでした。声をかけてくれた人、一緒に過ごしてくれた人、ほんと皆さんに大感謝。ご恩を返していきたい…。

と、なんだかこれで終わりみたいになっちゃってますが、もう一つ、最後の一大イベントが控えております。ふふ。