Jazzfest 2019, April 26 #2

ニューオリンズに何度か通ううちに少しずつ知り合いが増えてきて、今回はそういう人たちと一緒に過ごす時間も結構ありました。

サスペクツの後待ち合わせて一緒に過ごした人は、ニューオリンズの音楽が好きで数十年も通いつめてる大先輩のアメリカ人。今年のジャズフェスも行くと聞いてたので事前に連絡したらぜひ会おうと言ってくれ、こういうご縁でのお知り合いって観たいものが被るので結局その日はほぼずっと一緒に回ってました。全体的に今回は「友人と再会する、なんなら友人を増やす勢いで!」という裏目的(?)もあり、いただいたお誘いは極力乗ることにしたのもあるんですが。フェスとか旅行とかは特に、基本的に1人で過ごすことが多いので気を遣わなかったと言えば嘘になるけど、大なり小なり「1人じゃ絶対しなかったorできなかった経験」が色々できて面白かったです。

 

まずはsubdudesから。件の友人は相当な音楽好きのはずなんですが、アメリカ人の例に漏れずというか、ライブ中ずっと喋っててほとんど聴いてないのがびっくりでした。どうもたくさん知り合いがいるらしく見つけては喋ったり(多分知らん人にも話しかけてた)、ステージを背景にセルフィーしたり、私に知り合いを紹介しては「Annuciation好きでねー。悲しい時によく聴いてねー。」とか話しかけたりしてくる。いや好きなんやったら聴こうや。ただ、直後に音楽に集中したいかと訊かれてイエスと答えたらそれ以降快くライブの間は放置してくれたので、その距離感はありがたかったです。しかしこのレベルの音楽好きでもここまで聴かないのは衝撃でした。

なお、Subdedesは9年前の初ジャズフェスで観て以来。一時期あまり消息を聞かず気になってたんですが、あのハーモニーもパーカッションも現在で、お元気そうでよかったです。

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次はFoundation of Funk。ポーターさんとジガブーさまという、文字通りニューオリンズファンクの礎を築いたお2人にアイヴァン(敬称略)とイアンくん、トニーホールさんそしてホーンセクションを加えた超豪華メンバー。何より私にとっては念願の人生2度目、そしてジャズフェスでは初のジガブーさまでした。50周年だしアーティ兄さんがお元気だったら多分ミーターズ名義で出たのかなと思いますが、こればかりは仕方ないですね。

セットリストは当然ながらミーターズ中心。楽しくないわけがない。ニューオリンズ音楽(主にファンク系ですが)にハマればハマるほど、その「共通言語」を生み出したミーターズって本当に偉大だなとしみじみ思うのですが、そんなご本尊のリズム隊でHey Pocky A-Wayとかもう、最高なんてもんじゃないです。わりといつも淡々と通常運転なアイヴァン(敬称略)がはしゃいでて楽しそうだったのも印象的でした(かわええ)。楽しいよねぇ、そりゃ。私もめちゃくちゃ楽しかった!

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(最後もこんな感じでわちゃわちゃしてて可愛かった!)

 

その後は79ers GangとJames Andrewsで迷ったんですが、友人がインディアン行こう!ということで79ers Gangへ。なんとJazz & Heritage Stageのパスを持っているとかで一緒に入れてもらいました。わーい! なんで持ってるのかよう知らんけど嬉しい! スーツの写真撮ったり、羽根をもらったりしてしばらく音楽聴いてたらもう結構な時間。

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トリの時間帯は特に観たいものがなかったんですが、友人がだったらサンタナ観ろという。うーん、サンタナねぇ。ギター全部同じに聞こえるのよね私…。そもそもまともに知ってるの2〜3曲だし、そのうちのBlack Magic Womanだってハッチポッチの「ブラック・マジック・馬!」の印象しかない(ひどい)。でも友人は「サンタナはやっぱりサンタナだから! ラテンブルースの王者だから!」と熱心に勧めてくる。 まあ他に観たいのないしいっか、と着いて行きました。混むから早く行くよ!と言われたんだけど、そんな大して混まないでしょ〜、インディアンもうちょっと観てようよ〜…とあくまでテンション低めな私。ファンの皆様ごめんなさい。

結果的に友人が正しくて、結構早めに行ったけどすごい人。去年のエアロスミスほどじゃないまでもいい勝負でした。びっくり。サンタナ舐めてた…。

ちなみに、移動中だか待ち時間だかに、友人に「英語でそういう表現があるかわからないけど、サンタナは日本では「顔で弾く(plays with his face)」って言われてるよ」と話したら、”I understand. Like June (Yamagishi)”と返ってきて、ものすごく嬉しかったです。

 

そんなこんなでテンション低めに始まったサンタナでしたが…なんだ、すごい楽しい! めっちゃいい! しかも多分フェスなのでヒット曲中心だったんでしょうけど、全然知らないと思っていたら(有名曲のカバーもそこそこあったとはいえ)聴いたことある曲がかなりあって、2時間なんて絶対飽きると思ったら全然でした。長いこと第一線にいる人ってやっぱりライブがすごくいいんですよね。参りました。

さらに私の心を掴んで離さなかったのがバンドの女性ドラマー。この人がもう、めっちゃくちゃカッコよくてカッコよくて、しかもジョンレノンのImagineをドラム叩きながら歌ったんだけど、声まで渋くてとにかく素敵! やばい、惚れた…。完全に持って行かれました。後で判ったのが、この方カルロス・サンタナ氏の奥様(Cindy Blackman Santana)だったんですね。彼女を選んだのか彼女に選ばれたのか知りませんけど、もうサンタナおじさんの株爆上がりですよ。

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(シンディさん、超〜カッコいい!!)

 

あんまりにカッコいいから帰国後に色々調べていたら、なんとその数日後からブルーノートで来日公演。行ってきちゃいました(こういう時だけ無駄に行動力がある)。サンタナとは全然毛色違うけど、すごい良かった! やっぱりめちゃくちゃカッコいい。あのスリムな身体のどこからあんなパワーのある音が出せるのか。しかも、私は詳しいことは分からないけど左手のスティックをすごく不思議な持ち方してて、なぜあの持ち方で力が出せて繊細なコントロールができるのか、不思議でした。ちなみに来日公演バンドのベースはジャコ・パストリアス氏の息子さんだったので「どんな感じだろー」とか思ってたんですが、シンディさんが凄すぎてあんまり記憶に残ってません…ごめんなさい。

 

と話が逸れましたが、ジャズフェス終盤にはさらに嬉しいことにショーティくんが飛び入りして、15〜20分くらいがっつり演奏。今回は観れないと思ってたからこれはかなり嬉しい!!(なお、ショーティくんに関しては後日更なるサプライズがありました…)

いやもうね、サンタナとか自分1人じゃ絶対選ばないですから、ホント人の言うことは聞いてみるもんですね。

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しかし予想外に楽しかったサンタナ。これは来日公演あったら行きたいなぁ。シンディさん観たいし。今回も素晴らしいライブたくさん観たけど、期待値とのギャップという意味ではぶっちぎりでした。