【蔵出し】Jazzfest 2010 - April 30 pt.4

【 神、あらわる 】

Tシャツ騒動も落ち着いたところで、ようやくライヴを観始めました。
ちなみにその時に演奏してたのはJon Batiste Bandという、なかなかに評判の良いバンドだったそうなんですが…
ごめんなさい、もうすぐジガブーさまに会える、と思うと緊張しちゃってあんまりよく憶えてません。。
しかも、なんか落ち着かないので写真とか撮ってました。

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一応ステージ(写真中央、奥の方)はあるんだけど、そんなに立派じゃないし、フロアはだだっ広くて転換中にMardi Grasのフロートとか走ってるし(笑)、明らかにライヴが主目的の空間じゃないんですよね。
お客さんもこの写真では一応ちゃんと聴いてるっぽく見えますが、私の背後にはお酒飲んでチップスつまんで雑談してる人たちもけっこういました。かなり広いから邪魔になることは全然ないんだけど。

で、私はといえば。
次のバンドがジガブーさまなのは判っていたいたので、このバンドが終わったらちゃんと前に行きましたよ!
演奏が終わったら一旦ほとんど人が捌けるので、そこへ駆け込みまたも余裕で最前列です。
周りに誰もいなくなっちゃったけど、私はかぶりつきでセッティングから「ガン見」だもんね!!(だってドラムのセッティング観てるの楽しいんだもん)

ジガブーさまのドラムセットは、わりと小ぶりだな~という印象でした。
なんか、タイコの数やサイズで勝負してこないところが潔くて素敵よね(そういう問題なのか?)。

緊張していたせいもあってか、この待ち時間がかなり長~く感じられたんだけど、ようやく会場の明かりが落ちて、ジガブーさま(正確にはZigaboo's Funk Revueというバンドです)のご登場!!


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 きゃ~~~~。。

ついに「神」の降臨です。
あのジガブーさまが、私の目の前でドラムを叩いています。。

どうやら私、ジガブーさまを「夢見る少女スタイル(上目遣いで手を胸の前で組み合わせる)」でお目々ハート状態でひたすら見つめ続けていたらしく、周りでほろ酔いでご機嫌に踊りまくってたお客さん数人に笑われ、「ほら、もっと近くに行きなさいよ~」とけしかけられてしまいました(なんか私、そんなんばっか…笑)。
いやー。もう充分ステージは近かったし、なんだか恥ずかしくてそれ以上近づけなかったんですけどね。

バンドは7~8人と比較的大所帯だったんですが…う~ん。ほとんどジガブーさましか観てなかったよ私。。
ベースの人が7弦?、なんかすごいの弾いててそれは印象に残ってるんだけど。
(さすがに7弦は見間違いかなぁ…。どうも舞い上がってたらしく記憶に自信がない。)


そしてジガブーさまのドラム。
スロウハンド、でしたっけ。
あの、ほら、Eric Claptonってそんなあだ名が付いてるじゃないですか。
すごいギターを弾いてるのに手がゆっくり動いてるようにしか見えないから、とかそんな由来で。
…って私、Eric Claptonのことはまるで知らないんですが、ジガブーさまのドラムを観ててその話を思い出しました。
わりと淡々と叩いてるし、そんな難しそうなことをしてるように見えない。
誤解を恐れずに言うなら、本当に上手いんだかもよくわからない(笑)。

でも、間違いなくすごいんです。
なんだろな~。
いわゆる「腰に来る」という感じとか。あのドラムを身じろぎせずに聴くのは無理だろ、みたいな。
まあ、最初の1~2曲こそ、夢見る少女で脳内お花畑でしたけど。
あとね、金属系の音の「切れ味」と「くしゃっ」とした感じがそれぞれ絶妙でたまらないんです。
…言葉で表現するのは非常に難しいのですが(笑)。
ちなみにライヴの最中、スタッフさんがハイハット2回、右シンバル1回、ネジ(で、いいの?)を締め直してました。
まさか欠陥品じゃあるまいし、それだけアタックが強かったのかなぁと想像してます。
そんな力入れてるように見えないんだけども。不思議。。
あとね、叩きながらバンドのメンバーにスティックで「ひょいっ」と指示出したりするんですね。
それがまた余裕醸し出しててかっこよくて…。
やっぱり、どう頑張っても大変なことをしてるように見えないんだなー。


ちなみに演奏曲はインストあり、歌モノありのファンク系が中心。Standing In Your Stuffとかソロ曲もありましたが、Metersも何曲かやってくれましたよ!
特にAfrica! ジガブーさま、叩きながら歌いました!!
歌うドラマー、って、(ドラムが素晴らしいのは前提ですが)絵的に好きなんです。萌えます。たとえそれが還暦過ぎた小太りのオジサンだろうと。

しかも、やっぱミーターズの曲ってすごいんですよね。
スネアをズタタンっ!と打ち込んだときのアタックが最高で、「あ~~~! ザッツ・ジガブー!!」てな感じでした。
なんかもう、アタマ悪い記述ばっかですみません。。


しかしNew Orleansのミュージシャンてあらためて芸達者というか…本職の楽器の腕は言わずもがな、歌の上手い人が多いんですよね~。
New Orleans Social Clubのときも思ってたんだけど。誰がヴォーカルとってもサマになる。
ジガブーさまもしかり。Africa、めっちゃ素敵でした。黒かった。。


あともうひとつ驚いたというか印象深かったのが、1時間以上のライヴで、一度もドラムソロがなかったんですね。
自分のリーダーバンドなのに。
どんなソロを叩くんだろう…と、楽しみにしていたので少し残念だったんですが、もしかしたら「神」にはそんなもの必要なかったのかもしれません。
別に、特別な「見せ場」とかがなくても充分すごかったですから。


そんな感じで、めくるめくステージ(笑)も終了。
MCとかちょっとしゃべってらしたけど、あんまり憶えてないなぁ(笑)。
New Orleansの音楽をサポートしてくれてありがとう、ジャズフェス楽しんでね、みたいなことはおっしゃってたけど。
いえいえ、こちらこそ、素晴らしい音楽をありがとう、です。。


イヴェント自体は朝まで続いてたんですが、私は翌日のこともあるのでジガブーさまが終わったら帰りました。余韻に浸りたかったし。


正直言ってしまうと、
もしかしたら、全盛期のジガブーさまはもっとすごかったんだろうな…という印象は少しありました(意外と冷静、笑)。
まさに「ぶっ飛んだ」のではないかと。。
でもまあ、それでも充分すぎるほどに彼のドラムはめちゃくちゃ素晴らしかったし、
何より(ミーハーかもしれないけど)、あのジガブーさまを生で観られた、という感慨だけでも相当に幸せでした。。

 

2018年雑感:

Jon Batiste、当時からrising starの評判はあったけど今やすっかり大物です。ちゃんと観ときゃよかった…と言ってもあの時の精神状態を思えば仕方ないですね。ジガブーさまのライブも、覚えてるようであんまり覚えてないんだよなー。残念ながらその後も来日の気配はなく、ニューオリンズでもタイミング合わず観れていないのですが、やっぱりもう一度ちゃんと観たい。

しかし7弦ベースってホントかよ?!って感じですね。そして今思い出しても不思議な会場でした。明らかにライブするための場所じゃないし、なんであそこでわざわざやったんだろ。