Neville Brothers最後の録音?

多分FacebookTwitter経由でなんだけど、Terrence Higginsさんのインタビュー記事をたまたま見つけて読んでました。Take Me to the Riverという音楽プロジェクトに関する内容で、現在このプロジェクト名義で全米各地をツアーしてるのはGeorge PorterさんなどのSNSでなんとなく知っていたのですが、もともとはメンフィスを紹介するためのドキュメンタリー製作プロジェクトだったのが2014年にはツアーや教育プログラムに発展、現在はニューオリンズにフォーカスして継続しているのだそう。来年(2019年)アルバムを発売予定で、現在は絶賛ツアー中です。ヒギンズさんはハウスバンドを勤めているのですが、出演者のラインナップはヒギンズさんやポーターさん以外にもアイヴァン(敬称略)やイアンくん、Dirty Dozen Brass Band、Lost Bayou Ramblers、Big Chief Monk Boudreaux、79ers Gang(7thと9th Ward代表って意味だったのね! 知らんかった!)などなど超豪華で、日によってIrma ThomasやDr. Johnの曲なんかもやったりするそう。これが音源化されるだけでもニューオリンズ音楽ファン的には十分ひとつの大きなニュースです(直接関係ないけどSnoop DoggYes We Can Canも気になる。そして記事では触れられてませんがおそらくダズンのギタリストとして、新村さんも参加されているようです。以前ご本人がFacebookに投稿されてました。こういう場に日本人ミュージシャンが関わっておられるのは嬉しいですね!)。

 

で、ヒギンズさん、インタビュー途中で更にすごいものをぶっ込んできました。

Higgins also appears in the project with Dirty Dozen and the reunited Neville Brothers (recorded prior to Charles Neville's death in April) on the forthcoming album, including the Aaron Neville song, "Hercules," and "a couple of Wild Tchoupitoulas songs." "That was a moment we captured," says Higgins of getting the Nevilles together. "It can't happen again."

…要するに、チャールズ兄さんが亡くなる前に再び集まったNeville Brothersとダズンの録音にヒギンズさんも参加しており、(来年)発売予定のアルバムにも収録されるんだと。アーロンさまの歌うHerculesと、あとWild Tchoupitoulasから2曲。「貴重な瞬間を捉えたよ。もう二度と起こらないことだからね」とヒギンズさん。

 

…まじか! ま じ で す か ! !

 

もうね、二度見どころか十度見くらいしましたよ。英語読み間違ってないよね?妄想で無理矢理都合よく解釈してないよね?と。でも受験英語よろしく一語一句分解する勢いで注意深く読んだ結果、どうもやっぱりそういうことらしい。

ただ、ネヴィル兄弟の録音にダズンが参加してるのか、ダズンとネヴィルは別物としてそれぞれにヒギンズさんが参加してるのか、私の貧しい読解力ではどっちにも取れそうな感じなのですが、文脈からして前者かなぁ。

そりゃね、色々思うところはありますよ。ダズンが悪いとは言わんけどここはネヴィル兄弟のバンドで(マクニさんとかさぁ)演って欲しい気持ちはあります。ヒギンズさんには非常に申し訳ないけど、Willie Greenじゃないのか…とか。あと選曲も、個人的にはWild Tchoupitoulas好きすぎるしおそらくシリルさまボーカルなので嬉しいけど、最後になるならOne Loveとかこう、ファンの涙腺を正面からぶっ壊す感じのも少し盛り込んで欲しいかな、とか。

…でもね、もうそういうのどうでもいいです。

あの4人が、最後にもう一度集まって演奏して歌ってくれた、しかもそれが形になって世に出て私たちの耳に届く、もうそれだけで十分です。ありがたき幸せ。発売遅れてもいいから必ず出してくださいね。

 

ていうかこんなすごい話をサラッと話しちゃってるけど、これって大ニュースじゃないんですかね。ニューオリンズ音楽ファンじゃなくても、Neville Brothers最後の録音となればそこそこニュースバリューありそうなもんだけど。私が知らなかっただけで既にどこかで発表されてたのかな。とりあえずざっと調べた限り少なくとも日本の音楽メディアで取り上げられてる感じじゃないので、ささやかながらここに書いてみました。というか嬉しすぎて書かずにいられなかった。どうか1人でも多くのネヴィルファンの型に届きますように。ヒギンズさん、貴重なお話をありがとうございます。

 

なお、Take Me to the Riverのオフィシャルサイトはこちら

色々調べてたらメンフィスのドキュメンタリーは今年日本でも劇場公開されてたみたいですね。全然知らんかった。Blu-rayもサントラCDも発売されてます。こっち方面の音楽はあまり詳しくないんだけど、Mavis StaplesやNorth Mississippi Allstarsも出てるようなので気になります。

 

メンフィス版が日本に来たということは、順調に行けばニューオリンズ版もそのうち公開されるのかな。このペースだと4年遅れで入ってくるみたいだから、待てずに米版買っちゃいそうだけど。とはいえオフィシャルな日本公開というのは別の嬉しさがあるので期待して気長に待つことにします。

 

 

…で、最後に話変わるけど、Neville Brothersの録音(録画)といえばNevilles Foreverですよ。

2015年5月にSaenger Theatreで行われた、ネヴィル兄弟としては最後のライブ。いろんな方がゲストで出られているのでいわゆるネヴィル兄弟ワンマンではないのですが、ジャズフェス期間中だったこともありニューオリンズの有名どころが集結、司会はArthel Nevilleさん(アーティ兄さんの娘さんでFOXでキャスターなさってます)と、それは豪華なイベントでした。公式にカメラも入っており、映像もリリースされると当時のニュース記事には書かれていたはずなんですが、気がつけば3年半経過。ずっと待ってるんですけどね…。全然関係ないとは思うんだけど、これを機に発売してくれませんかね……。