Live Magic! / Jon Cleary Trio

さて、Jon Cleary Trioです。トリオといっても、今回はfeaturing Nigel Hallなので4人編成。4年ぶりの来日だそうで、私も前回のニューオリンズ訪問時には残念ながら彼を観ることができなかったので、そのくらい久々だったようです。でもその間に2枚もアルバムを出し(しかも1枚はグラミー授賞!)、NCIS:ニューオーリンズにも何度か出ていたので、あまりそんな感じはしませんでした。

がっつり観たかったので私にしてはだいぶ早めに行ったんですが(35~45分前くらい?)、既に最前2列くらいは埋まってました。すごいなー。まあ、3列目くらいだったので余裕で観れたし問題なかったんですけどね。しかもバンドメンバーご本人たちがサウンドチェックに出てきて、When You Get Backのコーラスなんかも軽くリハしたりして得した気分。開演前からお客さん盛り上がってました。

 

で、メンバーです。Key, Vo: Jon Cleary、Ba: Cornell Williams、Dr: A.J. Hall、Key: Nigel Hall という編成。てか、まーたドラマー代わってるし!

全然知らない方だったので軽く調べたところ、正確にはAlex Joseph Hallというお名前らしく、Facebookページインスタアカウント発見。ニューオリンズをベースに、最近はJon ClearyやKhris Royalなどと一緒に演奏されてるぽいです。会場でお会いしたお知り合いの方と、Tony HallやNigel Hallとは親戚関係なのか?なんて話にもなったんですが、人種も違うので(A.J. Hallさんは白人)おそらく他人でしょう。

感想としてはまあ、Jon Clearyのお眼鏡にかなったニューオリンズドラマーですから当然相当にハイレベルなんですけど、悶絶するほどすごいドラマーってわけでもなかったかな。もっとも、毎回すごい方たちばかり起用してくるので、聴く方も相当ハードル上がっちゃってるってのもあります。

 

しかしなー。これは昔からずっと気になってるんだけど、なんでこんなにドラマーが次々代わるんだろう。ベースは基本Cornell Williams一択なのに(一時期James Singletonだったけど、あれはアップライトの人と演りたかったんだろうということで説明がつきます)。ギターも、入れるときはBig D一択なのに。

ドラマーさんは私の知ってる限りでもJellybean、Raymond Weber、Eddie Christmas、Doug Belote、Terrence Higgins各氏。今回で少なくとも6人目です(しかしあらためて錚々たるメンバー)。なんならレコーディングによっては自分で叩いてるのもあるので、それも含めると7人? 相当ドラムにこだわりがあって「この人!」と決められないのか、何か他に理由があるのか…。まあ、「次のドラマー誰かな~」とわくわくする楽しみがあるのでこれはこれでいいんですが、Jonのドラマー問題(?)は私の「ニューオリンズ七不思議」の1つでもあるので(あと6つは知らん)、いつか解明できないかなぁと思っています。

 

ライブは新作のタイトルチューンDyna-Miteで始まり、新旧カバー織り交ぜのいつものJon Clearyのステージ。あぁ~、やっぱりいいなぁ。単独公演でフルで聴きたかったなぁ! 事前にお腹周りに貫録が…との情報をいただいてましたが、お腹に限らず全体的に少し大きくなられてました。物理的に。そして初めてバンドで来日された頃(もう10年以上前かな)は英国紳士風情なオーラもあったんですが、今やすっかりニューオリンズのオッサンですね(褒めてます)。ただ今回は髭を剃り髪も短めだったので、割とこざっぱりしてました。髭も長髪も個人的には全然OKなんですけどね。

バンド的には正直なぜナイジェルさん呼んだ?ってくらいに彼の見せ場が少なかったのが残念といえば残念。でもまあ、クリアリーさんてわりと自分が目立ちたいタイプだと思うので、せっかくの自分名義の公演で同じ鍵盤楽器の人をわざわざそんなに立てないか、という思いも。実はステージ真ん中に最初からエレキギターが置かれていて、ひょっとしてタズくんがゲスト出演でもするのか?と一瞬思ったんだけど、ご本人が3曲ほど披露してくださいました(Boneyard、21st Century~、あと1曲知らん曲)。ステージ真ん中に立って披露された渾身のドヤ顔を見ていると、せっかくの自分名義の公演で若手スターをわざわざ以下同文。キーボードってどうしてもステージの端になるもんね。たまには真ん中立ちたいよね。しかし私はギターのことはよく解りませんが、あのBonnie Raittのお墨付きとかつてどこかで聞いたことがあります。実際、少なくとも素人耳には他のすごいギタリストさん面々にも全然遜色ない感じでかっこよかったです。ショーティくんのバンドといい、ニューオリンズのミュージシャンの多くは普通に複数の楽器を自在に演奏するし、歌もなんだかんだ上手いのがすごいですよね。総ザ・バンドみたいな。違う?

アンコールも入れて1時間半くらいかな?なんだかあっという間過ぎでした。しつこいけど、やっぱり単独公演もやって欲しかった…。次の来日の際にはぜひお願いします。ていうかその前に次こそはニューオリンズで観たい!(実は何度も行ってるのに彼の演奏を現地であまりちゃんと観たことがない)

 

終演後はサイン会。配信でしか持ってなかったGo Go Juiceを買ってサインいただいてきました。しかし彼よりもPeter Barakanさんのサインの方が長蛇の列だったのが正直びっくり(そういや昔2人でやったトークショーの時もそうだったな…)。

私はPeter Barakanさんご自身には特に興味がなくラジオも聴いたことがないのですが、彼がらみのイベントに行くと、音楽知識やマニア度でマウンティングをかましてる信者さんたちの会話が結構聞こえてきて正直不愉快で面倒くさい気持ちになるので極力行かないようにしています(念のため、Peterさん個人には負の感情はないどころか、この手のイベントなどでお話を伺えば面白いなぁ!と思うし、私が個人的に交流のあるPeterさんのファンはとてもいい方ばかりです)。今回も最初は迷ってたんですが、やっぱり久しぶりのJon Cleary観たいしZydefunkも観てみたい!という気持ちに負けて足を運びました。まあ不愉快な会話が聞こえなかったといえば嘘になりますが、それを差し引いても余りある楽しさでした。今後も多分トークイベントなどの類に行くことはないですが、今やニューオリンズからミュージシャンを招聘してくださる貴重な存在であることに変わりはないので、このフェス来年以降も続くといいなーと思っています。