NCIS: ニューオーリンズ (S3E3)

Man on Fire / 俺たちのやり方

バスケットボールアリーナで男性が転落死した。被害者のバレット兵曹は銃を持った何者かに襲われていたことが判明。現場にはライフルが落ちていた。だが調べてみると、そのライフルは麻酔銃で、バレット本人のものだと分かる。また、バレットが事件の夜、脅迫めいたメールを受け取っていたことが明らかになり……。(スーパー!ドラマTVサイトより引用)  

 

このエピソード、ロブ・モローさん監督だったそうです。ナンバーズのお兄ちゃんドン・エプス役の人ですね。ついでに出ちゃえばいいのに!と思ったんですが、どうやら吹き替えだとキングとドンを同じ声優さんが担当されてるらしく、実現したらそれはそれでややこしそうな気もします。

 

事件現場のアリーナはSmoothie King CenterニューオリンズのバスケットボールチームPelicansの本拠地です。ドラマで出てきた住所(1501 Dave Dixon Drive)も正確で、パーシーが「スーパードームフットボールチームSaintsの本拠地)の隣?」と言ってたのも実際その通りなんですが、逆にこの住所で判るのマニアックすぎませんかね。ちなみに2つの競技場、私は行ったことないですがコンサートなんかもやってます。 

 

被害者のバレット兵曹には争った形跡があり、彼自身の麻酔銃ライフルや他の弾痕が残っていた。防犯カメラの映像はないが、現場の様子からバレット、犯人、そして第三者がいたと思われる。

バレットは亡くなる前日に脅迫メールめいたものを受け取っており、パットンが発信者を追跡したところ、特殊部隊出身で前科もあるクラークソンという男だった。キングとグレゴリオは彼の家へ向かいます。住所は「36 Forshey Street」と言ってましたがいつものように「通りは実在・番地は架空」のパターンで、ロケ地に使われていたのは実在するForshey Stから少し離れたお家。City Parkの近くです。

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中から男女の争う声がしたので事情を訊いたところ彼らはクラークソン夫妻で、海軍施設で働く息子ドリューがメキシコでの休暇中に誘拐され、100万ドルの身代金を要求されているとのこと。軍やFBIに協力を求めるも身代金は負担できないと言われたので、ドリュー母が幼馴染のバレットに相談し、交渉人を雇ってお金の受け渡しをするふりをしてアリーナで捕まえようとした。現場にいた第三者はドリュー母でした。バレット殺害を目撃し、現場から逃げたようです。そして脅迫メールと思われたのは「そんな危険な真似(身代金の受け渡しのふり)はやめろ、後悔するぞ」というドリュー父からの警告でした。特殊部隊や前科がミスリードでしたね。

 

海外での人質救出は国務省の仕事だからNCISとしてはバレット殺害犯を探すべきと正論を主張するグレゴリオに、人質を見捨てるのかと反発するラサール。しかし交渉人の遺体がCentral City(アリーナから比較的近いエリア)で見つかり、おそらくバレット殺害と同一犯、まだアメリカ国内にいると思われるためまずはそちらの線を追います。

そして誘拐については犯人からの次の電話を逆探知するためFBIの協力を仰ぎますが、逆探知がバレて通話中にドリューが射殺されてしまう。と思いきや、その後のパットンの電話音声分析で壁が撃たれだけだと判り、ドリュー生存の可能性が出てきました。ここでキングがドリュー母にそのこと伝えちゃうんだけど、生きてるとも言い切れないのに変に期待持たせちゃうことにならないのかなぁ。しかもこの時点で「ドリューは俺が助ける」気満々…だから管轄外だってのに(もうこの後の展開が大体読めますね)。

 

そして、ドリューが亡くなったと思い宿に篭って落ち込むグレゴリオをキングが励まし、力を貸して欲しいと頼みます。グレゴリオが泊まっていたのはRoyal StにあるAndrew Jackson Hotelでした。

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キングも「いいチョイスだ」と言ってたけど、実際ロケーションもいいし(繁忙期は深夜までちょっとうるさいかもしれないけど)内装もかなり素敵。ちなみにここ、FBIよりNCISオフィスの方が断然近いです。FBIで働くならもっと近くにビジネスホテルたくさんあるのに、NCISで働くことになってホテル移動したのかな(と野暮なツッコミ)。

 

セバスチャンが交渉人の遺体から指紋を採取し、犯人がアリーナの警備員マルチネスと判明(だから防犯カメラも切れたんですね。しかしその辺は周到なのに指紋残しちゃうのか…)。彼はすでにメキシコに逃げており、FBI情報ではドリュー誘拐犯と同じ街にいるようだが、NCISとしてはメキシコまで行って殺害犯マルチネスを追うことは可能だけれど、人質救出はNG(この辺いかにも「お役所仕事」ですが、現実にこんな緊迫した状況でもここまで杓子定規なんでしょうかね)。

キングはアイズラーに、「犯人逮捕しかしないから、国務省にメキシコ行きを掛け合って!」とお願いし、アイズラーも「あくまで犯人逮捕ね! 人質救出はダメよ!プロトコルは守るんだよ!!」と強く念を押し、現場ではグレゴリオに指揮を執らせることで渋々了承。

…とまあこの辺で展開読めるんですが、当然のようにプロトコルを無視するキング、マルチネスの逮捕はグレゴリオ(とラサール)に任せて、パーシー率いてちゃっかりドリューを救出するのでした。

 

事件解決という点ではめでたしでたしですが、お目付役なはずのグレゴリオは当然アイズラー(と国務省)に説明を求められる。どんな処分が待っているのか…と戦々恐々としてオフィスで待つチームメンバーの前に飄々と現れるグレゴリオ。なんと「犯人を追っていたら『たまたま』人質に出くわした」「そして私はその現場を見てないのでよくわかりません」で押し通し、アイズラーもまあ自分の手柄になったので建前上はそのまま受け取りお咎めなし。この時のパーシーの「やるじゃん!」て表情と、(庇ってくれたの?という問いに対する)グレゴリオの「なんの話( ー`дー´)キリッ?」なツンデレぶりが最高でした。まあ、敵対心剥き出しなラサールに比べてパーシーはもともと比較的冷静にグレゴリオを認めてましたが、ここでまた距離が縮まった感じです。しかしグレゴリオさん最高です。大好きです。

 

このエピソード、途中から展開は見え見えだったし、「DCのやり方」を通すグレゴリオのプライドや葛藤などベタな感じでしたが、

「田舎ネズミ」ネタをきっと本当は知りたいんだろうに興味ないふりするグレゴリオとか、

セバスチャンとの会話中にうっかり通信切っちゃうグレゴリオに「いつものことだから無問題!」なキングとか、

片言スペイン語と全力ジェスチャーで頑張ったのに実は英語通じてたパーシーとか、

いい感じでキャラが生かされていてとても楽しかったです。とにかくグレゴリオさんがいい。ここまで好きなキャラは?と訊かれれば(いや別に誰もいてこないけど)セバスチャン一択だったのが、ちょっと迷ってしまいそうなくらいいい。放送当初あまり彼女の評判は良くなかったと聞いていたけど、私は最初からかなり心奪われてたので意外でした。前任(?)のブロディがとても後味悪い終わり方だったからかなぁ。