12 Rounds

邦題「12ラウンド」。2009年アメリカ公開のアクション。以下あんまりネタバレはしてません。

 

ニューオーリンズ市警に勤務するダニー・フィッシャー刑事は、ある夜大物強盗犯のマイルズ・ジャクソンを逮捕することに成功するが、その時にマイルズの恋人は逃走しようとして車にはねられ死んでしまう。それから1年後、マイルズは恋人を殺された復讐をするために、刑務所を脱獄。しかも、彼によってダニーの妻モリーが誘拐されてしまう。そして彼はダニーに対して「妻を無事返して欲しければ、街中に仕掛けた12のトラップを制限時間内に解除しろ」と脅迫してくるのだった。制限時間を過ぎれば、モリーだけではなく多くの市民が犠牲になってしまう。ダニーはこの恐怖の12ラウンドに勝利するため奮闘する。(Wikipediaより引用) 

 

日本ではビデオスルーされた作品だそうです。うん、確かにあんまり面白くなかった…。プロレス団体が作った映画で、主役のフィッシャー刑事を演じるJohn Cena(ジョン・シナ)もプロレスラーなんだそうですね。あー、それでタイトルも「ラウンド」だし、「ゴング」とか「ノックアウト」とかそんなセリフが多かったのか。あとやたらド派手なアクションが多かったけど、スタントとか使わずにやったのかな。個人的には悪役マイルズ・ジャクソンを演じていたAidan Gillen(エイダン・ギレン)、全然知らなかったけどこの人の方が魅力的だなーと思いました。えげつない殺人犯だし、恋人の仇と見せかけて目当ては実はお金とか、なかなかサイコな感じの悪役でしたが。(ていうかこの人、秋公開のBohemian RhapsodyにマネージャーJohn Reid役で出てるじゃん!)

 

さて、「あんまり面白くなかった」と言っちゃいましたが、それでも全編ニューオリンズロケ、しかもストリート名を始めとするリアルな固有名詞がばんばん出てきて、そこはローカル魂(?)をくすぐるものがありました。やってないけど、時間があれば出てくる地名を全部プロットして追っかけたりしても面白かったかも。特にHotel Monteleoneはたくさん出てきましたね。ここ、NCIS: New Orleansのロケにも何度も使われているけど、ホテルの戦略で露出が多いのか、あるいはフィルムコミッション的なところで推されてるんでしょうか。確かに場所もいいし伝統もあるし特に内装は綺麗で映像映えもするので全然構わないんですが。あと映画に出てきた、地下から屋上まで続く市内で一番古いというエレベーターが実在するのかも気になるところです。

そしてKatrinaについても特に説明なく言及されていたんだけど、アメリカ人にとって「Katrina」といえば「ああ、あのニューオリンズを襲った大きなハリケーンね」とすぐ思いつくくらいには認識されているんでしょうか。もちろん地元民にとっては歴史に残る大事件だけど、一般的に説明なく固有名詞出されてもわかる程度には知られているのか、実は前から気になっています。この作品に関していえば2009年とまだ4年しか経ってないので、印象に残ってたという可能性はあるかな。

 

一つちょっと残念だったのが、暴走するストリートカーを止めるシーン。本来赤い車体が走るはずのCanal Streetを、St. Charles Streetcar(緑の車体)が走っていました。まあね、緑の車体は「欲望という名の電車」で有名だし、映像的にはこの方がある意味「ニューオリンズっぽい」のかもしれないけど…。他の地名なんかがリアルだっただけに、ちょっと残念というか惜しいと思ってしまいました。

 

私はテレビのロードショーで観ましたが、DVDやBlu-rayも出てるみたいです。主演の方が結構有名なプロレスラーっぽいので、そっち方面のコアなファンがいるのかもしれません(全然知らない世界なのであくまで推測です)。悪役は相当鬼畜ですが残酷な描写は特になかったし、アクション好きならまあ観てもいいんじゃないかなーという感じです。