Focus

邦題「フォーカス」。2015年アメリカ公開のロマンチック・コメディ。以下ネタバレあり。

犯罪グループのリーダーであり自身も凄腕の詐欺師であるニッキーは、その大胆な手口で次々と大金を手にしていた。そんなある日、彼は女詐欺師のジェスと出会う。ジェスはニッキーを騙そうと近づいたが、彼の詐欺のテクニックに魅了されてしまい、グループの一員となることを決意する。その後、ジェスはグループの一員として活動していくうちに、瞬く間に詐欺のテクニックを身につけていく。一方ニッキーは、そんな彼女と行動を共にしていくうちに、次第に彼女と惹かれあっていくのを感じていた。ところがニッキーは、そんな関係を終わらせるべく、とある大きな仕事が終わった後、ジェスの前から姿を消してしまうのであった。
それから数年後、ニッキーは一世一代の大きな仕事を行うため、とあるモーターレースチームのオーナーに近づいていた。すると、そのオーナーの隣には美しくなったジェスの姿があった。ジェスの登場によりニッキーの計画は崩れ始め、そして彼女の真の目的が明らかになる。(Wikipediaより引用) 

 

前半ニューオリンズ、後半ブエノスアイレスが舞台です。映像がものすごく鮮やかで綺麗でした。

ニューオリンズで開催されたフットボールの大イベント(AFFAボウルだそう)を目当てに訪れる観光客からいろんな手口でお金を騙し取る。うーん、バーボン・ストリートを歩くときはスリに用心しろ!というのは地元民から再三言われるのですが、映画ほどの手口じゃないにしても、人の多い時期は気をつけないとなーと思わされるものがありました。コレ、やられたら絶対気づかない自信がある…。マルディグラ時期とかみんな浮かれて不用心だろうし、詐欺集団の書き入れ時なのかもなぁ。

そして会場のスーパードーム。SVUのホアン先生ことJ.D.Wongが演じるお金持ちアジア系男性とむちゃくちゃな賭けを始める主人公ニッキー(Will Smith)。負けが混んでも辞めないニッキーはバカなのかな?と思いながら観ていたら、なんとホアン先生(じゃないけど)最初からカモにされてました。しかもお金取られたのに(賭けそのものが楽しかったので)大喜びしてるし。ここは面白かったなー。まさかバックに流れていたストーンズ(悪魔を憐れむ歌)が鍵になっていたとは。音楽といえば、他のシーンではSnooks EaglinのLet Me Go Home, Whiskyも使われていました。いいですねぇ。

全体的にそんなにニューオリンズ色が濃かったわけではないけど、そこそこ映像使われていて、しかも前述のように映像もとても鮮やかで綺麗だったのでわりと満足度高かったです。

 

ストーリーはここで最初の山を迎え、その後舞台はブエノスアイレスに移ってしまうのですが、そこでニッキーと、ニューオリンズで(一方的に)別れた元恋人ジェスが再会。ニッキーの仕掛ける大規模な詐欺を軸に、ニッキーの父親(息子に詐欺を仕込んだ詐欺師)も絡み、ニッキーとジェスが元サヤなのか騙し合ってるのか解らない感じでなんやかや話が進んで、最後はどんでん返しでした(雑な説明)。結局騙し取ったお金はニッキー父がどさくさに紛れて一人で持ち去り、残されたニッキーとジェスは無一文かと思いきや、ジェスは詐欺の標的であった男性から超高級時計をちゃっかりスっており、2人も結局またくっつくだろうなと匂わせるオチ。ハッピーエンドなんですかねこれ。まあ普通に犯罪者なんですけど、なんか憎めないというか、ほのぼのしたエンディングでした。

 

詐欺集団も含め、主人公以外も全体的に憎めない魅力的なキャラクターだし(まあ、詐欺師が主人公の映画やドラマは大抵そうですよね)、物語のテンポもいいし、ニューオリンズはもちろんブエノスアイレスも素敵だったし、音楽のチョイスもいい。ものすごくオススメ!とまでは言わないまでも、なかなかに楽しい映画でした。