Jazzfest 2018, After the Fest #2

Bonerama @ Wednesday at the Square
滞在中のWednesday at the Squareは、Boneramaが出演。
Wednesday at the Squareとは、春の間毎週水曜夕方にLafayette Square(NCISニューオーリンズ的には、市庁舎前の広場)で開催されるイベント。Young Leadership Councilという団体が主催なようです。会場内(入場無料)にはローカルフードを中心とした屋台が出て、地元アーティストのクラフトなども売られており、ライブも楽しめる…って、なんかジャズフェスの説明でも似たようなことを書いた記憶が。要するに、ニューオリンズではこの手のイベントが随時いろんな所で開かれているようです(そして何がすごいってどこも毎回そこそこの客の入り。地元民らしき人も多く、イベントの多さにも驚くけど、これに参加し続けられる人たちの体力もびっくりだよ…)。

 

それはさておき、Bonerama。この人たちってなんていうか、単に私の思い込みかもしれないけれど、トロンボーン集団の奇抜な編成だったり、音的にもなんて言うか「俺たちっ!イケてるバンドなんだぜっ!」と頑張ってる感が透けて見えたり…というのか、そんな「背伸び」感を長らくうっすらと感じておりました(まあそこが愛すべき点でもあったのですが)。それが前作(Shake It Baby)に収録されていたIndian Redがあんまりに良かったことで一気に好感度アップ。そしてさらに、今回観た彼らはいい感じで力が抜けていたというか、とにかく良い意味で今までとはイメージが違ったように感じられ、ますます好きになりました。

 

ちなみにIndian Redといえば、私は10年近くかけてこの曲のさまざまな音源を細々と収集し続けており、50種類くらい集まったんですが、Boneramaバージョンはその中でも異色ながらかなりのお気に入りです(順位をつけるのは本当に難しいし日によって変わったりもするけど、かなり安定してベスト3に入るんじゃないかな)。一応Daniel Lanoisのバージョンをベースにしてるんですが、正直あまり好きとは言えない彼のアレンジが、Boneramaの手によって大化けいたしました。
しかしどういうわけか、発売当時のOffbeatのレビューでこの曲は「やりすぎ(確か”overarranged”)」と批判されている。
ていうかさ、今更それ言う? そこはむしろBoneramaの存在意義だと思ってたよ。「やりすぎ」こそががあの「背伸び感」を醸し出すというか、要するにBoneramaたらしめてるんだから、むしろやりすぎてなんぼじゃないですかね。って、だめですかね。
…まあ好みなんて人それぞれだし、Offbeatレビュアーの評価が絶対なわけじゃないし、いいんですけどね。
でもさ、「Indian Redやってみようぜ!」「Dr. Johnバージョンを今更焼き直してもつまんないし、敢えてのDaniel Lanoisバージョン使うとか面白くね?」「それいいねー、トロンボーン鳴らしまくって敢えて賑やかにいくぜー!」「でさ、敢えてDr. Johnに参加してもらうの!」「「マジ?! 敢・え・て・の御大呼んじゃう?!」とかわちゃわちゃ言いながらゴテゴテと音を詰め込んでいく様子とか、想像しただけで萌えませんか(注:すべて妄想です)。

 

残念ながら今回Indian Redの演奏はなかったですが、選曲は全体的にファンクど真ん中って感じではなく、たとえばFats Dominoのカバーも2曲やってくれました(I'm WalkingとAll By Myself)。いいなー、この感じ。背伸びもイキリもこの人たちがやるとなんか可愛いので嫌いじゃないけど、私は基本的に「ニューオリンズ愛を前面に出す人」に弱いので、やはり今の方が愛着を持って観ることができます。
もう一つステージを和ませてくれたのがシットインしたSpecial Guest。メンバーの娘さん? 5歳くらいの可愛らしい女の子がステージに上がってトロンボーンでMr. Okraを共演、その後もしばらく残ってタンバリン叩いたり踊ったり。こういうのはローカルのお祭りならではで、とても微笑ましかったです。

そして暑さのせいなのかなんなのか、マーク・ムリンズさんがやけにギラギラしてたな…。

 

Iguanas @ Circle Bar
Wednesday at the Squareが終わり、まだ時間もそこまで遅くなかったので、そのまま歩いてCircle Barへ行きIguanasも少し観てきました。
もちろんライブ自体も楽しみだったんだけど、その数日前にJohn Mooneyさんのライブで初めてこのお店に来てすっかり気に入ってしまったので、できれば滞在中にもう一度来たいな~と思っていたのです。
赤みがかった薄暗いあやしげな照明とか、ボロボロの壁とか、ちょっと怖そうなバーテンダーのお姉さんとか(Iguanasの日はお兄さんでしたが)、上手く言葉にできないんだけど、とにかくとても惹きつけられるお店なのです。こんなお店が近所にあったら、夏の暑い日に仕事サボってロクに冷房効かない店内で昼間からカウンターで飲んだくれてるところを、バーテンのお姉ちゃんに「アンタいい加減にしなよ…」とたしなめられたい、そんな感じのお店。うーん、伝わらないか…。残念ながらお店は午後4時オープンなので、昼間から飲んだくれるのは無理なんですが。

 

Iguanasは気になりながらもなかなか観る機会がなく、初ライブ。
私はゴリゴリのラテン音楽は疲れちゃうというかあんまり聴かないんですけど、「ラテン要素強め」くらいな音楽はむしろ結構好きなので、Iguanasのような塩梅は非常に心地がいいです。

 

これにCircle Barのお店の雰囲気もあいまって、1時間足らずの短い時間でしたが、とても居心地よく楽しい時間を過ごすことができました。特にこの数日は連日ファンクばっかりだったからねぇ。それはそれで好きなんだけど、歳のせいかずっと聴いてるとやっぱりちょっと疲れるのよね。。
あと嬉しいオマケだったのが、なんとなんとJohnny Sansoneさんがふらりと遊びにいらして、数曲シットインしてくれました。これはお得感が高いというか贅沢というか。しかしやっぱりすごいなニューオリンズ