Jazzfest 2018, May 6 #2

お昼済ませて、その後ジョージ・ポーターさん。George Porter Jr. and Running Pardners @ Gentillyです。
「僕は歌うの得意じゃないから、素敵なLadiesに歌ってもらうよ!」なーんて言いながらSusan CowsillとMia Bordersを1曲ずつゲストに。両方とも気にはなりつつ結局パスしちゃったので、少しでも見れて嬉しかったです。しっかし、次々と女性はべらせちゃってこのイケメンめ!

タイダイ服はチャールズ兄さんを意識してかな…と一瞬思ったけど、よく考えたらポーターさん的には通常運転か。ただ、途中で「自分にとって大切だけど今はもういない人を思って歌います。つい最近ではチャールズ、そして妻も…」と言ってMy old friendという歌(たぶん)を歌われました。確か去年くらいに奥様亡くされてるんですよね…。
そんなちょっとしんみりな場面もありましたが、基本的にはとても陽気なステージ。ミーターズ的なのを期待するとちょっと違うかもですが、ポーターさんの歌声とベースは健在ですごく楽しかったですよ!

そしてドラムがめちゃめちゃ良かった。野外でも「この人は違う!」となってしまうレベル。誰だろうと思ったらTerrence Houstonさんでした。TerrenceはHigginsさんもいて、どっちもドラマーなのでなんかややこしいなぁとずっと思ってたんですが、もう間違うことはあるまい、というレベルで素晴らしかったです(あ、ヒギンズさんも全然悪くないです。むしろいいです。ただヒューストンさん割と別格クラスでした)。比較的細くて小柄に見えたんだけど、すごいパワフル。惚れました。彼は今後重点的にチェックしていく所存(要チェックの人が多すぎて嬉しい悲鳴)。

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みんな大好きポーターさん。ドラムのヒューストンさんも最高だった!

 

 

John Boutte @ Jazz Tent
ポーターさん最後まで観たので、途中からジョンブッテさんを。今回最初で最後のJazz Tentです。
ジョンブッテさん、なにげにニューオリンズ行く度に観ているので、今回は途中からでいいか~と、日本のニューオリンズ音楽愛好家に怒られそうな贅沢をかましてしまいました…。
行ってみると、さすがTremeの主題歌の人だけあってか、さほど大きくないJazz Tentはほぼ満席。もっと大きな場所でもよさそうなもんだけど、彼の繊細な声を楽しむにはこのくらいの広さが限界なのかな~とも。
そうそう、Leo Nocentelliさんが途中参加されてました。意外な繋がりだなぁと思ったんですが、New Orleans Social Clubだそうで。そっかー、なるほど!
しかしNOSC、懐かしい。前回のジャズフェスで観た彼らのライブは今でもかなり鮮明に記憶に残る素晴らしいものでした。数年前にドラムのレイモンドから聞いた話では、またあのメンバーで集まりたいけどなかなか予定が合わなくて…とのことでしたが(だろうなー、売れっ子集団だし)、また是非どこかで実現して欲しいです。
というわけで話それたけどジョンブッテさん。この人はCDで声だけ聴いてるとひたすらに美しくて、神様から授けられた声ってこういうのをいうんだろうなぁ…とうっとりしちゃうのですが、ステージ上はちょこまか動くしMCはめっちゃおしゃべりで面白いし、結構ギャップがあります。ある意味ジョンブッテ像は崩壊しますが、個人的にはキュートで大好きです。彼もいつか日本に来て欲しいなぁと思い続けているのですが…うーん、そのためにはまずはTremeを日本で放送か。そして、Treme放送の下準備としてNCISニューオーリンズがもっと日本で流行ってくれて…と、始まる私の妄想計画。
なにはともあれ最後はTreme Songで大盛り上がりで終幕。

 

続いては The Gospel Soul of Irma Thomas @ Gospel Tent
アーマさん、ジャズフェス前半には普通のステージもあったようなんですが、今回は全編ゴスペルです。
オリジナルも聴きたかったな~って思いはもちろんありますが、逆にGospel Tentという比較的小さなステージでレアなセットリストで観ることができたのはジャズフェスまで来たからこそ。
コーラス隊をしたがえ、ご本人もローブを身につけ、さながら教会の聖歌隊でした。
MCの内容も、主に自分とキリスト教(というか神様)との出会いや信仰についての考え方、Mahalia Jacksonへの思いなどで、教会のお説教のような雰囲気。同じゴスペル編成でもグレンの時とはぜんぜん違う(どっちがいいとかじゃないですが)。そして圧倒的な声量に選曲や見た目もあいまって、神々しさすら感じました。MCでちらっと「77年生きてきて…」みたいな話をされてましたが(もうそんなお年だったのか!)、1時間のステージは立ちっぱなし、声量も豊かでよく通り、衰えを感じることはなかったです。まだまだお元気そうだったので、できることならまた日本に来ていただきたいなぁと思うのですが、アラン・トゥーサンやチャールズ兄さんのことがあって以来、高齢者にはあまり無理を言わないことにしています…。

 

ところでジャズフェスレポートもそろそろ最後なので、ちょっと脱線して。
今回は空き時間にチラッと覗いた程度のステージについては基本的に触れてませんが、特に観るものがない時の時間のすごし方として、もちろん食事やお買い物もいいのですが、何か音楽聴きたい!って時にGospel Tentは個人的にお勧めです(屋根と椅子があるのもありがたい。ミストも出てるけどあんまり効果はない…)。有名無名にかかわらずクオリティの高さと迫力に圧倒されます。これを毎週日曜にやってるのか?!と。ただ、キリスト教や礼拝になじみがないと、いわゆるガチな聖歌隊ぽいステージはちょっと引いてしまう人もいるかも…。私はクリスチャンじゃないけどミッションスクール出身で、社会人になってからゴスペルクワイヤに所属していた時期もありあまり抵抗なくその世界に入れますが、お客さんもテンション高かったりするので、いわゆる宗教に対して熱心じゃない日本人がいきなりそこに入ると「なんだこれ?!」となるかもしれません。ただ、そういうのも含めて異文化体験としては面白いかと思います。


もっとも、異文化体験という意味ではFais-Do-Doというザディコ・ケイジャン中心のステージも「これぞルイジアナ!」という感じで楽しいです。日本ではニューオリンズといえばジャズのイメージが強いですが、実際にフレンチクオーターの土産物店や飲食店で流れてる音楽はザディコ・ケイジャン率が高いです(私はこのジャンルはあまり詳しくないので詳細は割愛しますが)。ここのステージは基本踊りに来てる人が多いので、大抵すみっこに座ってまったり聴いてます。


そしてマルディグラ・インディアンをがっつり観たければ、なんといってもHeritage Stage。熱中症が心配になりそうなド派手で重厚な衣装(Suits)と強烈なリズムやチャントは好き嫌い分かれるかもしれませんが、一度ハマると抜けられなくなるでしょう(私のことです)。ステージ以外にも会場内をパレードしていたりするので、是非チェックしてみてください。どうでもいいけど私は日本国内なら5本の指くらいに入るんじゃないかって勢いでマルディグラ・インディアンのCDを収集してました。最近ちょっとペース落ち気味でしたが、今回の旅行で聞き慣れないBig ChiefやTribeの名前をたくさん見つけて再びモチベーションが上がったので、また収集の旅に出なければと思っています。

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会場内をパレードするインディアン。間近で見ると視覚的にも聴覚的にもかなりの迫力です。