NCIS: ニューオーリンズ (S5E2)

新たなボス / Inside Out

川沿いで2人のDIA捜査官が死体で見つかるが、その場から1人CIAの秘密の捕虜らしき男が連れ去られる。男は爆弾製造者であり、連れ去った者が爆弾を作らせると考えたラサールたちは捜査を開始。しかしDIA捜査官の情報を得ようとしても、DCの本部につながらず、序盤から苦戦。そこで、チームの様子が気になって差し入れをしにきたプライドがDCとのやりとりを助太刀する。(スーパー!ドラマTVサイトより引用)

 

前エピソードから8週間後の設定、いよいよ新キャスト登場です。

今回の事件も、現場は恒例(?)のCrescent City Connection付近でした。今回はもろに橋の下って感じではなかったけど、爆破されたり河川敷で人が殺されてたりと相変わらず物騒です。橋の下は知りませんが、橋自体はミシシッピ川を横断する貴重なルートなので(ニューオリンズ内は他にはフェリーくらいしか手段がない)車の通りも多く、普通に走っている分には危ない場所ではありません。

デズモンドを拉致した男たちが"Welcome to Big Easy"と言ってましたが、Big Easyとはニューオリンズの愛称です。Crescent Cityもニューオリンズの愛称ですが、こちらは街の地形(三日月型)が由来、Big Easyはおそらく「細かいことは気にしない」的な土地の人々の気質から取ったものでしょう。

 

さて、無事ニューオリンズに帰ってきたらしいキング、ローレルの付き添いで自宅(バー)付近を散歩していますが、すっかりヒーローなようで道行く人から声をかけられまくってました。去年GalacticがTipitina's買収した時に、スタントン先生が街歩いてると「ありがとう!」と声かけられたと言ってたけど(これ)、こんな感じだったのかなー。満更でもないキングと、体調を心配するローレル。背後で演奏していたのは、Joshua Starkman & Chelsea Hinesのデュオでした。どちらもニューオリンズを拠点に活動していますが、ざっと調べた限り2人で一緒に頻繁にライブをしてるとかではなさそう。ほんとにチラッとしか出てこなかったけど、せっかくだからもう少し大きく映して欲しかったです。

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ローレルに「無理するな」と釘を刺された後、差し入れを持ってオフィスに行くキングですが、お菓子を買ったと思われるカフェDesiree'sは、S4E23でキングがチームメンバーを巻き込まないために「2軍(エルヴィス、シドニー、クレイン)」を集めて落ち合ったお店です。場所はキングのバーから1ブロックですが、ここはセットで、実際の様子はGoogle Mapによるとこんな感じ。

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番組では一瞬映っただけですが、あのシーンのためにわざわざテントや椅子などセットしたのかな。もしかしたらカットされた場面があったのかもしれません。

 

オフィスに行くと、「キング復帰までは俺がボスだぜ(キリッ」と意気込んだラサールがDCとの連絡で早速苦労しておりキングが助け船を出します。そこで判明したのがキングに昇進の話があり、後任としてある捜査官が赴任するらしい…ということでいよいよハンナ・コーリー捜査官の登場。

 

事件は囚人デズモンド(元IRAの爆弾製造者)を秘密裏に海軍に移送していたDIA(国防情報局)職員が何者かに殺され、デズモンドが拉致されるというもの。おそらく目的は彼に爆弾を作らせることだろう。しかし彼はCIA言うところの「幽霊囚人」らしく、当然CIAはその存在を認めないが、体内にマイクロチップが埋め込まれてるらしく(アメリカ怖い…)そこから居場所を追跡。

…と、ハンナ捜査官、この辺の指示を来た瞬間に冷静にテキパキと出していきます。セバスチャンはもちろん、一瞬だけ警戒心バリバリだったグレゴリオもあっさりペースに巻き込まれてました。世界各地で大活躍してきた優秀な人なようで、横須賀にもいたみたいですね(キングの「Yokosuka」の発音がヨクースカって感じで全然聞き取れなかった)。しかも謙虚な性格で、キングに対しては「追い出しに来た訳じゃない。身に余る大役ですし、貴方の意向に添います。」と、なんだかニューオリンズらしからぬ優等生。

 

しかしマイクロチップでデズモンドの行方を追うと彼は遺体で見つかり、その場にいた謎の黒ずくめ集団を1人除いて取り逃す。デズモンドには爆弾を作らせている様子もない。辛うじて捕まえた男スミスをハンナが尋問するものらりくらりとかわしてきます。それでもどうにか情報を聞き出してラサールたちが捜査に出かけるものの、先方の罠にまんまとハマってしまいました。彼らの狙いはオフィスを手薄にして、情報隔離室の鍵とパスワードを手に入れることだったのです。オフィスが停電になり破壊され(何度目??)、銃を向けられたキングはフラッシュバックで脈拍跳ね上がり、気の毒なNOPDのロイがまたしても巻き込まれとありながら、パットンや偶然その場に居合わせたロレッタの機転もあってどうにか制圧。キングが「ロレッタはまだ帰ってない、ここにいるはず」「(自分に向けられた銃が)不発だと気付いた」と謎のエスパー能力を発揮していましたが、これはPTSDの症状か何かでしょうか(たぶん違う)。

 

キングが犯人の1人の指を切り落としたのでそこから身元が判明し、彼らの目的がロシアの犯罪組織のボス、レオニードの救出だと判ります。彼を移送する船がルイジアナ沿岸にいたことから、スミスらはNCISのシステムでその居場所を検索し、更に連邦航空局から政府用のコードを入手して、それを使ってバレずに国外退去しようとしてたと思われます。近隣の飛行場(Lakefrontかな?)からまさに脱出しようとしていたレオニードたちをギリギリのところで捕まえて、一件落着でした。

 

そしてエンディング、ローレルと自宅で夕食を作るキング。この時にレコードから流れていたのはJohn Lee HookerのWayne Country Ramblin' Bluesでした。ローレルの選曲だとしたらかなり渋い。

ちなみにこの番組のオープニングテーマ"Boom Boom"のオリジナルバージョンは、John Lee Hookerの代表曲です。

 

2人が作っていたのは、プライド家に伝わるレシピでのエトゥフェ(Étoufée)。これはニューオリンズの地元料理で、ガンボと同様エビやザリガニなどが入ったスープ料理的なものを主にご飯にかけて食べます。2人が"fat equals flavor”、"butter equals better"などと言っていたように、クリーミーでいかにもハイカロリーな背徳感あふれる味ですが、本当に美味しい。ケイジャンクレオール料理を提供する大抵のレストランで食べられるしジャズフェス会場でも売ってるので、私はニューオリンズに行くと必ず1回は食べるしミックスも買って帰ります。ああ、書いてたらまた食べたくなってきた…。

 

「無理しないことが無理」なキングですが、今回の事件で自分がPTSDを抱えていることを痛感したのは結構ショックが大きそうでした(脱いでたのはサービスショットでしょうか…)。しかもそんな父親を心配し、失いたくないと愛娘のローレルに切実に訴えられ、ラサールにまで昇進も悪い話じゃないのではと言われて遂に心を動かされたのか、気のない風だった昇進について話がしたいとDCに電話をかけます。

 

さて、ハンナ・コーリーさんですが後任ボスということでもっと反発されるのかと思いきや、事件解決後の乾杯の際もすんなり受け入れられて滑り出しは順調でした。熱くなりがちなはみだしキャラ揃いのNOLAチームには珍しいクールな優等生、根無し草生活に嫌気がさして…というところは少しブロディを思わせるものがあります。キングはなんだかんだ言って結局残るだろうし、どういう立ち位置でやって行くのか、また他メンバーとどんなケミストリーが出てくるのか、とても楽しみです。