NCIS: ニューオーリンズ (S5E15)

経済の刺客 / Crab Mentality

かつてハンナが作戦に加わったヴィクター・ゼルコ襲撃作戦で、民間人も巻き添えになっていたことを知り、衝撃を受けるハンナ。当時の仲間であるリアムはそのことを伝えた後、姿を消してしまう。一方、チームは新しい事件の捜査を始める。ジャックス社という建設業者の作業員3人とその兄の合計4人が作業現場から遺体で発見される。(スーパー!ドラマTVサイトより引用)

 

今回の舞台となったジャックス社、ニューオリンズでJaxと言えばJax Brewery(パーシーとグレゴリオが同居してたアパートも入ってるショッピングモール)だよね!と思っていたのですが(というかそもそもは、Jackson Squareの由来でもあるAndrew Jackson大統領のことだと思いますが)、社長のアラミンタ・ジャックスは2004年に家族を津波で亡くし、同じく水害で被害を受けたニューオリンズにやってきたとのことで、地元民という設定ではなさそうでした。2004年の津波といえばインドネシアスマトラ沖地震。アラミンタさん、アジア系だしインドネシア人て設定だったのかな。

そんなジャックス社の建設作業員や、その家族である海軍兵が遺体で発見されます。ジャックス社は津波などの水害を防ぐポリマーの開発をしていますが、不運が重なりビジネスは危機に瀕していました。しかも作業員はそのポリマーに含まれる毒により亡くなり、それを隠蔽するためにアラミンタが埋めたのでは…との疑いがかかります(後にロレッタの検視で、毒は透析によってさも中毒死したかのように仕込まれたことが判明するのですが)。

ジャックス社、正確な場所は判らないけどオフィスの窓から見える高層の建物からして、CBD(Central Business District)のどこかでしょう。f:id:crescentagency:20200921001920j:image

f:id:crescentagency:20200921001924j:image

この建物、結構目立って気になってたのでこれを機に調べたんだけどよく解りませんでした。多分オフィスビルなんだろうけど。

 

あらゆる証拠があまりに都合よくアラミンタを指していて逆に怪しいと思ったキング。ハンナさんの見立てでは、ジャックス社の技術が実用化されると業界の勢力図が変わってしまい損をする人たちが出てくるので、何者かが「経済的刺客」を送り込み会社を窮地に陥れているのでは、そしてその刺客はジャックス社のボードメンバーで会社を安く買い叩こうとしている投資家のウォンではないかと疑います。ウォンを訪ねて問いただしたところでもちろん簡単に尻尾は出しませんが、こっそりグラスを持ち帰って指紋採取しちゃうセバスチャンが地味にグッジョブでした。

 

しかしウォンも負けてはおらず、世界各地の大物と通じているというコネでハンナさんの過去を調べ上げており、彼女の車にゼルコ制圧時に無実な家族も殺害されていたという証拠写真を残し、暗に脅してきます(この辺の経緯はS5E14のサイドストーリー参照)。

ハンナさんの車が置かれていたのはフレンチクオーター内のこのあたり。

f:id:crescentagency:20200921001931j:image

f:id:crescentagency:20200921001928j:image

オフィスまで歩いても10分くらいの場所なんだけど、家のご近所って設定だったのかな。

ちなみに背後でギターを弾いている男性はWilly Gantrimという人です。全然知らない人で情報もあまりないんだけど、もともとはニューヨークの人で、1〜2年ほど前にニューオリンズでLittle Deathというバンドを結成し、Sidney's SaloonCarnaval LoungeDragon’s Denなどの地元のバーで演奏していたようです。しかし現時点でニューオリンズは屋内のライブ演奏は禁止、バーも確かテイクアウトのみOKとかそんな感じなはず。日常を取り戻せるのはいつになるのか、そもそも本当に取り戻せるのか…。音楽のないニューオリンズなんて考えられないんだけどな。

 

話を戻すと、セバスチャンが持ち出したグラスの指紋から、ウォンの手下リドワンが割り出され、携帯のGPSからバイウォーターの駐車場にいることが判明。
f:id:crescentagency:20200921001904j:image

ちなみにBurgundy Stは確かにバイウォーター地区を通っているけど8667という番地は存在せず(ここまではこの番組あるある)、さらにいうとバイウォーター地区のBurgundy St周辺ってほとんどが住宅地なのであんなに大きな立体駐車場はないんじゃないかなぁと思います。現地で確かめたわけじゃないのであくまで推測ですが。

リドワンを捕まえたものの有力な証言は得られず、さらにはゼルコ制圧時の映像がマスコミにリークされてしまい、ハンナさんが国土安全保障省から聴取を受けることに。キングは一か八かでパットンにウォンの口座をハッキングさせてすべて凍結し、それを餌にウォン都直接対決します。「NCISは」逮捕できないよ〜お金返してあげるからアラミンタから手を引きなよ〜とウォンを誘導し、ちゃっかりFBIに身柄を拘束させてしまいました。ウォンは「これで終わったと思うなよ」的な憎まれ口を叩いていたけど、今後また出てくることあるんでしょうかね。キングは相変わらず「この街で俺に盾つくと痛い目に遭うぞ」と黒幕感満載でしたが。

 

晴れてアラミンタの疑いは晴れ、またゼルコの映像もNSAの請負業者からのリークだと判明したためハンナさんも釈放されました。めでたしめでたしかと思いきや、押収したウォンのパソコンから死んだはずのゼルコが生存している写真が出てきて次回に続く…。でした。

 

ハンナさんの過去ストーリーももちろん楽しみなんですが、まあこの辺は新キャラの通過儀礼みたいなもんだし、今回はむしろ個人的にはアラミンタのポリマー技術が実在するのかがとても気になりました。ニューオリンズは、フレンチクオーターだけ見てると「川、近いなぁ」と多少思う程度なんですが、ここから上流・下流いずれに行ってもびっくりするような堤防がそびえてて、この街が"below sea level"だというのを痛感します(この堤防が決壊して町中に大水害をもたらしたのが2005年のハリケーンKatrina)。アラミンタの開発しているような技術で、水害のリスクが少しでも減らせればいいなと思っているのですが、今はそれよりも何よりもコロナだよなぁ。飲食店は少しずつ緩和されてきているようですが、どういうわけかライブ演奏への規制が今も相当厳しいみたいで、もちろん感染拡大防止のための対策は必要だけど、そろそろ本格的に限界なんじゃないかとかなり心配しています。